黄波戸井ショウリ『技巧貸与のとりかえし 1』

 とりあえず、ネットの連載が、ざまぁ終わっても失速しないので、文庫も買うことに。まあ、なろう系小説、文庫ならまだ収納場所でなんとかなるけど、四六判だと置き場所に困るんだよなあ。


 ユニークスキル「技巧貸与」でスキルを貸し出せる主人公マージは、ユニークスキル持ちが集まったパーティ『神銀の剣』において、それぞれのユニークスキルを補助するスキルを貸しだし、貢献していると思っていた
 しかし、パーティの他のメンバーはそれを認めず、退職金惜しさにマージの殺害を謀る。迷宮「魔の来たる深淵」のボスに単身突入させようとしたのだ。愛想が尽き果てたマージは、借りっぱなしのスキルの返済を求める。
 10日に一割という経験値の利息によって、パーティのユニークスキルを差し押さえ、スキルを進化させたマージは、ダンジョンボスのブリトラを封じこめ、旅立つ。


 神銀の剣からの報復を避けて旅に出たマージ。スキルレンダーのスキルのオペレーティングを行っていた知性体に肉体を与えた「コエ」の2人旅。彼らは、宿場町キヌイで狼人の少女シズクと出会う。彼女と取引を行い、信頼を得たマージは、森の深くにある狼人の里を助けることをお願いされる。紆余曲折あって、「亜人の王」となったマージは、稲作を導入して、里の食糧事情を改善しようとする。
 しかし、ゴーレム使いアンジェリーナが里を訪れ、逆恨みをしてマージの手がかりとして後を付けてきたアルトラに里の場所がバレてしまう。アルトラは、アビーク公に反乱の気配アリとそそのかし。


 いや、「騎士団」のキチっぷりがすごいなあ。亜人にちょっと情をかけただけで殺すとか。「正常化」と称して虐殺をはじめるかあ。