熊本市現代美術館へ

 明日以降、天候が悪化しそうなので、熊本市現代美術館の「動画クリエイター展」に出撃。ついでに、図書館に本の返却。なかなか読み終わらない本を諦めて返す。これで、久しぶりに図書館から借りた本がなくなった。


 その後、上通下通で本屋をはしごしたり、ジュピターでフムスだのアルフレッドソースを買ったり。思った以上に散財してしまった。本を買い込んだ上で、現代美術館でチラシをゲットして、けっこう重くなってしまって、背筋が疲れた。


 曇り空&比較的最高気温が低いという条件だったわりには、体力の消耗が激しかった感。最近、34度以上の時には動かないから、比較のしようがないけど。
 家の直前にきつい坂があるのが体力の消耗を加速するんだよなあ。

肥後の里山ギャラリー「肥後銀行コレクション」展

 最終日に滑り込み観覧。
 タイトルの通り、肥後銀行が持つ絵画の展示。肥後銀行所有22点に、特別展示が1点。熊本にゆかりのある画家の作品、ないしは熊本県内の情景を描いた作品がメイン。かつては、調度的な扱いで入手していたのだろうか。2010年代に入ったあたりから、意識的に地域の作家をコレクションする方向になったのかな。
 近世絵画は、「領内名勝図巻」と関連があると思われる「芦北之図」が展示。前期は「八代之図」だったようだ。


 出品リストの冒頭は、横山大観「磯馴松」。富士銀行の頭取から贈られ、長く頭取室に飾られていたという。それほど大きくない作品で、かつ描かれているのが松三本と鳥影二つとミニマムな表現ながら、構図の緊張感が印象的な作品。背景も、単純に空白なのではなく、薄墨で霧でけぶる情景を表現している。


 最初の目隠しを抜けると、大画面の作品が7点ほどならぶ。中村賢次、佐藤和歌子、堅山南風、真道黎明の諸作品。大作は、それだけで目を引くし、見ていて楽しい。
 中村賢次「再生の炎」は、阿蘇の野焼きを題材とした作品。一辺1メートル以上の画面いっぱいの炎の赤が目に迫る。諸処の焦げた黒や手前の草原の描写が、どういう場面かを知らせる。
 佐藤和歌子作品は三点が展示されていて、なかなか目立っている。それぞれ、「角の門」「フェンリルの鎖」「軛」のタイトルが付されている。西洋の神話にテーマを取ったところといい、女性のデザインといい、ぱっと見は今時のネットで見るイラストと共通している感じだなあと思うが、近づくと、大画面の実物作品というテクスチャー感が印象に残る。前景のカラフルさに対して、沈んだ色、絵の具の質感は実物ならではの存在感。あと、「フェンリルの鎖」の背景の輪っかは、なんなのだろうか。
 服の文様がこれまたおもしろい。鮮明な繰り返し模様ではなく、よく見ると不規則な感じ。日本画材の不透明な絵の具なのかな、どう色を重ねたのだろうというような滲んだ感じの不思議な感じ。
 「軛」は、なんでかミュシャっぽいと感じた。
 堅山南風「日午」は、向日葵モチーフなんだけど、ちょっと沈んだ色なのが印象的。曇りの日のヒマワリというか。テロッと厚く塗られた暗めの緑が。
 真道黎明「肥後椿」は、肥後六花ならではの大きな花心と紅白の花びらが非常に絵になる作品。中央の金箔を背景にして、周りには葉が茂る構図も安心感がある。




 残りは小品。
 一番いいと思ったのは、山口輝也「曙光(江津湖)」。江津湖のほとりの木々が、水面に映っている、静謐な雰囲気の作品。抽象画メインの人だけに、これ、何処までが実景で、何処までが心象風景なんだろうか。背景の平たい山は船野山かな。
 川本末雄「高原地塘」、宇野千里「熊本城不開門」は、具象的な絵画。単純に絵としているなら、こういう風景画・具象画は安心感があるなあ。
 有島生馬「牛深港」、野田健郎「崎津風景」は、ともに港の光景。海の風景というのはいいなあ。前者は、昭和25年ごろに描かれたものだそうだけど、この時期には、まだ機帆船や手こぎ船が多く残っていたのだな。後者は、まさに崎津といった風景。こちらの船はちょっと時代が新しいかな。1970年代頃?
 海老原喜之助「新しい出発」は、見るからに海老原作品という感じだなあ。626水害を契機に、再出発を願っての作品らしい。井手宣通「阿蘇路より有明海の夕映え」はカラフルさが印象的。




 近世絵画は、伝衛藤良行「芦北之図」が展示。前期は、同作者の「八代之図」だったようだ。作者や表装士が同一で、永青文庫の「領内名勝図巻」と関連する作品ではないかと指摘されている。開かれているのは、日奈久馬越町の鳩山と二見下大野町の君ヶ淵の情景。
 最近、近世のこういう実景絵画を見るとき、植生はどうなってるのかなというところに注目しているけど、海岸の緩やかな丘陵は採取圧が強かったようだな。おおよそ草山化しているようだ。それに松がチョロチョロというところか。緑には塗ってあるけど、木が一本一本描いてあるということは、それだけ少ないってことだよなあ。
 むしろ、神社境内や屋敷地内のほうが木が多く立っているのが印象的。

検診

 本日は熊本市特定健診ということで、朝から病院へ。
 早起きと朝食抜きが地味にきつい。あと、血液検査で血を抜かれるのが、毎回慣れないなあ。まあ、検査そのものは問診、身長体重、尿検査、血液検査くらいだから、それほど時間のかかるものではない。昼前に帰宅。
 昼から、睡眠時間を補うつもりだったのだけど、寝てる途中で雷雨は嫌だなあと、夕立が来るのを待っていたら寝損ねた。積乱雲は熊本市まで来たけど、我が家をギリギリかすめていった。


 昨日はド派手なゲリラ豪雨が来て、一気に冷やしていったけど、今晩は暑そうだな。
 つーか、昨日の雷雨で百日草がぺしゃんこになってる。

肥後の里山ギャラリーへ

 肥後の里山ギャラリーの「肥後銀行コレクション展」が最終日なので、滑り込みで見に行く。これで、夏休みの企画展の類いはだいたいクリアしたか。8月の終わりに、ずっと天候が悪くて、なんかあちこち行けていないところが。あとは、「動画クリエイター」展をどうするか。
 戦後制作の絵画が中心。大きな絵から小さな絵まで24点ほど展示。メモこみで30分ほどで見られる感じ。
 午後から天候が崩れる予報だったので、早めに動いたけど、一日カンカン照りで終わったな。


 一昨日散財したので、街に寄らずに帰ったのだが、ブックオフ寄ったり、スーパー行ったりしたら、それなりに金を使った。
 昼食はパン屋さんで買ったんだけど、最近、惣菜パンの相場が250円くらいな感覚になってきたなあ。

熊本県立美術館「美術館コレクション2」展、2回目

 とりあえず、会期中に県立美術館を訪れたので、入ってみる。結局、セット券と別棟単独で百何十円しか変わらないしな。ついでに、漆芸品をまた見たくなったので。
 ざっと見て、前期と展示品が変わらないなあと思ったら、展示替えは衣装人形だけだったのか。そして、今回スルー。


 とりあえず、高野松山と音丸耕堂の漆芸品が良いなあ。写真撮りたいけど、著作権法上の問題か、撮影禁止なんだよねえ。
 高野松山「乾漆蝶模様花瓶」は、茶色の地に蝶が描かれている作品。形、蝶の密度、地の茶色の色味と見所が多い。同「乾漆提盤」はわざわざ乾漆で竹を再現しているところがおもしろい。あとは、ボディ部分が白と濃茶でモザイク模様なのが目を引く。
 増村益城「乾漆盛器(日の丸)」は四角形の盛器の真ん中にボカした朱漆の円がドデンと描かれているのが、目を引く。縁のぼかし具合がいいんだよなあ。
 音丸耕堂「彫漆茶花文茶器」は、各種の色の漆を塗り重ねた後、削ることで形を生み出している。シャープに削り込んだ黒と白のコントラストが印象深い。ぱっと見、これが一番魅力的。同「乾漆かたばみ文茶器」は、塗り重ねた漆の特性が良く出たデザインで、黒と白でカタバミの形がシャープに表現される。


 陶芸作品では、加藤幸兵衛「萌黄金彩吉祥文水指」の色がいいなあ。中国の官窯で見かけたような、いい感じの黄緑色に、金彩がマッチしていて。永楽善五郎「紅安南茶碗」は似たようなのがあったら自分用に使いたい感じ。なんか、かわいらしい。


 絵画では、5点展示されている江田豊の作品が目立つ。海老原喜之助の見いだされて、抽象画を描くが、東京に転勤して徐々に影響を脱していく。個人的には「供物」あたりがいいかな。

県立美術館トリプルヘッダー

 なんか、明日以降、また天候が不安定になるようなので、思い切って出撃。今年は、なんか午後から天候が不安定な日が多い気がする。
 最高気温は34度近くまでと比較的高かったはずだけど、空気が比較的乾燥していたことと、北から涼しい風が吹いていたためか、気温ほどはきつくなかったな。熱風が吹いてくる感じでもなかったし。とはいえ、帰りに、手持ちの水が尽きたあとは、急速に体力を消耗したけど。油断せずに、飲料水を補給していくことは熱中症回避に肝要。


 「20世紀美術の冒険者たち」、「美術館コレクション2」、「二の丸バードウォッチング!」をはしご。とはいえ、後二者は前期にあらかた見て、後期展示を見るだけだから疲労度は割と低かった。
 「20世紀美術の冒険者たち」展、なんかフランスあたりの流行が、本当に同時代に入ってきているのだなあというのが興味深い。というか、ポスト印象派とか、キュビズムとか、フォービスムって、日本では大正時代のできごとなんだよな。どうも、明治大正を必要以上に古く感じてしまうバイアスがかかっているようだ。
 あとは家光さんのカワセミとか…


 あのあたり、昼食を食べられる場所が他にないし、外で食べたい気温でもなかったので、美術館内の喫茶店で昼食。コロナ発生以後だと、屋内で食事は五回目くらいか。まあ、人も少なかったのでいいかな、と。
 普段、コンビニのパンなどでかなり安く食事を抑えてるから、ちょっとお財布が痛い。ついでに、チケットと図録も買ってるし、それなりの散財をやったな。


 帰り際に、ここのところ工事が進んでいる宇土櫓を見に行く。ついでに、久しぶりに加藤神社にも参拝。なんか、令和の大造営だそうで、今は社務所を建て替えている最中で、更地になっていた。
 宇土櫓、横に立っているプラットフォームがデカくてビビる。そのうち、覆いで隠されて見えなくなるのかな。


 その後は上通、下通で本屋をはしご。こちらも結構な散財をしてしまった。とりあえず、予定の本はだいたい確保。8月は購入対象がいっぱいだった。世界の艦船増刊の「ビスマルク級」がなかなかのお値段で。


 千葉城から見た天守。デカいクレーンは、宇土櫓関係の作業かな。涼しくなったら、また城内に入るか。





 棒庵坂沿いの堀。西出丸北面石垣の崩落石を並べているのか、大量の石が並んでいる。



 西出丸北面石垣と堀。崩落した石も回収されて、次は栗石面の保護のためのコンクリ吹きつけかな。







 宇土櫓。西側に巨大な構造物が出現している。こんなに高く積み上げるんだ…










 建て替え中の加藤神社社務所



 加藤神社境内から天守閣。



 西出丸北面石垣の裏側。