現代美術館へ出撃

 本日は、熊本市現代美術館へ「ガラスの器と静物画」を見に行く。なんか、メタな仕掛けのアートブック作成に関係した器、絵画、写真を展示。器と絵が遠いのもあって、行ったり来たり。
 これで、今年の夏の展覧会で積み残しは御船町恐竜博物館のみになった。


 とにかく暑い。午前中に出かけたので、行きはともかくとして、帰りは1時過ぎたので、暑いのなんの。
 帰りは、自転車で左側走行を遵守すると、途中から陰に入るところがなくなるから、とにかくきつい。あげく、最後はきつい登り坂があって、体力を消耗する。この季節、出かけるのが辛いわあ。


 美術館を出たあとは、アニメイトで新刊を確保して、その後に鶴屋の古書展をチェック。どちらも本を買いこんだので、帰りは重いのなんの。やっと、台風10号の影響による書籍の入荷の遅れは解消したけど、今度は検査不正で貨物列車の運送に混乱が出ているのだが。ちゃんと届くのだろうか。
 古書展、お金が唸る程あれば、古文書とか摺物とか買いたいところだねえ。今回は、安めの西洋史の本を三冊程買いこむ。買ったのはいいけど、本棚に詰めるスペースがない…


 そういえば、エレベーターが直前に上って、久しぶりに階段でのぼってアニメイトに入ったんだけど、そこにメロンブックスが熊本に再進出している張り紙が。復活しているの全然気付かなかった。今日は、メロンブックスのカードを片付けていたので、入るのをパス。次回だな。
 あと、新装開店後の甲玉堂に初めて入ったけど、ずいぶん売り場面積が減っているな。とりあえず、アクリルガッシュは買えるけど。


 建て替えの話が出ている旧ダイエー熊本店、現イオン熊本中央店を撮影。広告塔、ダイエーのマークが薄らと浮き出ている姿も、なくなるのか。



荒牧重雄『噴火した!:火山の現場で考えたこと』

 「火砕流」の名付け親で、世界中各地の火山噴火の現場や対策活動に関わった著者の回想記。火山学者は、噴火があると飛んでいくのね。海外の現場の状況も印象的。ヨーロッパ系の火山学の変化の時代とか、日本でも火山噴火のたびに手探りの対応をしていた姿とか。
 というか、行政関係者で、「火砕流」という噴火のあり方をタブーにしてきた歴史があるのね。官僚らしい、都合悪い情報隠しというか。雲仙普賢岳の噴火以前には、運良く火砕流による大被害がなかっただけで。
 あとは、なにやら危なっかしいこともやっているなあ。伊豆大島1950-51年噴火の際に、研究室から勝手に観測機材を持ち出して、溶岩に突っ込んで抜けなくなった先輩達のエピソードとか、アイスランドの火山を見に行って、整備不良の車をあてがわれて遭難しかけるとか。若手の研究者が、アイスランドの増水した川を渡ろうとして遭難したとか、フィールドの厳しさがわかるというか。
 ペンシルバニア大学で高温高圧環境での溶岩の研究をしていて、実験装置を爆発させまくっていたというのも、なかなかマッドサイエンティストな感じだ。著者自身も吹っ飛ばして、数日耳が聞こえなかったとか…


 基本的に年代順に配置。そして、最初に火砕流の研究では切っても切れない1902年のプレー火山噴火を1章に配している。
 しかし、プレー山の火砕流、一瞬で都市が一つ、3万人からの人口が一瞬で消し飛ぶというのが恐ろしい。市内の住民で助かったのは2人、他に停泊していた船のうち2隻が転覆を免れ、火傷や打撲を受けつつ、船員の半分程度が生き延びた。これで、南西側に広がった、被害範囲が限られているというのが恐ろしい。その前日には、マルティニーク島から南に二つ目のセント・ビンセント島でスフリエール火山が噴火して、1600人が死亡しているという。近い地域で、次々と大惨事が起きている。セント・ビンセント島、地図で見ると、スフリエール火山の麓は、南側の地域と比べると、海岸沿いに集落があるだけで、谷をさかのぼっていないのは、火砕流の影響なのだろうな。
 このプレー山の事例から「熱雲」「ヌエアルダント」という用語が定着しかけたけど、火砕流堆積物に様々な違いがあったり、上は破局噴火クラスから下は雲仙火砕流とスケールに大きな差がある事象を統一的に説明するために、「火砕流」という用語をピックアップした、と。
 しかし、日本語でのプレー火山の1902年噴火、大惨事のわりに日本語の情報が少ないな。ラクロワの直後の報告書、日本語訳か、せめて英訳があれば…
 Wikipediaの記事、プレー山によると、あれだけの惨事を引き起こして、サン・ピエール市を直撃した火砕流は本体ではなく、谷で遮られた低密度の部分だったという。
 あとは、地質ニュースのマルチニーク島のプレー火山:その発達史と活動史というのがあるな。


 博士論文は浅間山で、日本の火山については濃尾地震後に「震災予防調査会」で大概の日本の火山は調査報告が出ているけど、ここだけは、調査を命じられた学生と教授が衝突してお蔵入りになったらしいという話が印象深い。そこからアメリカ留学。高温高圧下での岩石の様相を実験したり、大陸横断旅行に出たり。
 その後、ヨーロッパ経由で帰国。1960年前後のヨーロッパの火山学は、ちょうど端境期だったのだな。19世紀的なディレッタンティズムから、実験、放射年代測定、機械観測などを用いた現代的な火山学への変化の時期。その後、1976年のグアドループ島のスフリエール火山噴火で、国内の学者の意見が対立して、収拾が付かなくなって、日米の学者を呼んで調停するとか。
 月の表面が玄武岩か、花崗岩かで意見が分かれていて、どっちでも良いように準備していた話とかも興味深い。現地で玄武岩であることが確認された。未固結の火砕粒子が堆積というのも、なかなか異様な感じでかっこいいな。


 ハワイのキラウエア山の1963年噴火、現場の研究者の慌てぶりとか、その後の噴火で当時のアラエ火口が溶岩に埋まってしまっている状況などが興味深い。
 アイスランドの火山も興味深い。アイスランドは海嶺の続きだから、東西にいくほど古い溶岩になるのね。あとは、水中で噴火した時にできる卓状火山が興味深い。枕状溶岩が積み重なって急斜面ができるけど、自ら頭を出すと盾状火山になって、傾斜が緩くなる。傾斜の転換点が水中から頭を出したところで、氷河の底で噴火すると、当時の氷河の厚さがわかるという。
 1980年のセントヘレンズ山の山体崩壊も衝撃的だな。9キロ離れた観測点で観測していた研究者が、山体崩壊にともなうブラストに吹き飛ばされて、行方不明。山体崩壊、怖い。グーグルマップの地形レイヤーで見ると、川の下流まで流れ山が残っていて、大規模に崩れたのがわかる。
 裾野のスピリット湖は景勝地で別荘があって、そこに残った人々が57人犠牲になっている。まあ、ここいらは自己責任だよなあ。ハリー・トルーマンという老人が、「絶対に噴火しない」と残って、60メートル以上の岩なだれ堆積物の下に埋まったというけど、遺体と山荘、粉々だろうなあ…


 国内だと、1983年の三宅島、伊豆大島1986年噴火の溶岩流が印象的だな。人家にせまって、バスを動員しての危険な中の避難を行った三宅島、東側で割れ目噴火の可能性が示唆されて大混乱に陥った伊豆大島伊豆大島の臨場感がすごいなあ。
 そして、雲仙普賢岳の1991年噴火。大火砕流による被害。「火砕流」の規模としては、最小規模だったが、危険を知らずに、報道陣や住民が接近していて、犠牲になっている。一方で、サージの周縁部では火傷しながらも、脱出に成功している人もいる。あるいは、家屋が最終的に焼失しているけど、それなりに時間が経ってから炎上しているという。
 自衛隊の観測能力とか、突入して救助を行っている姿も印象深い。外縁部だと、戦車や装甲車の内部にいれば、火傷はしないだろうけど、エンジンが火山灰で詰まって壊れるし、場合によっては窒息の危険もあるよなあ。


 火山の側に立地していて、本気でベスビオ山やカンピフレグレイが噴火したら、丸ごと吹っ飛びかねないナポリやその近郊都市郡。1983年から84年にかけて、カンピフレグレイカルデラ内のポッツオーリという都市では、火山性地震と地殻の上昇で旧市街が破壊されて、多くの人が避難生活を余儀なくされ、その後もなかなか帰還できずに揉めたという。下手すると、都市の真下で噴火する可能性があったんだよな。怖い。
 1794年噴火の溶岩流の上に再建されたトールエルグレコ市がなんかすごいなあ。火口から6キロのベッドタウンとか…
 ナポリ市は、災害対策を研究してみたけど、最終的にドウしようもないという結論か。

ショーソン『幼馴染みは闇堕ち聖女! 2』

 一巻丸ごと、ロリメイドをアナル調教となかなか濃い一冊。


 魔女王アルマエイラの側付きメイドにして実力者のエアリィに対し、索敵魔法を経由した精神操作をかけることに成功したヨアル。呼び出して、快楽調教で墜としていく。
 しかし、処女の彼女は、普通にやると魔力量の変化で気付いてしまうので、アナル調教となる。毎晩、体に快楽を覚え込ませ、最後は、正気に戻った彼女に淫紋をつけて、支配下に。
 完全に堕ちつつも、アルマを守る気持ちはあるのね。


 一方、アルマエイラを甦らせた魔王は、20年成熟と自身にアルマの心が向くのを待っていたが、人間型の体に変化して、ついに彼女をモノにしようと動き出す。
 体を作り替えたことで、魔王を軽視する魔族が出てきたり、魔王に面従腹背の特殊部隊隊長がいたり。ヨアルの行動を、敵対派閥の残党の活動と誤解しているのが狙い目なのかね。


 しかし、魔王関係のメイド服、わざわざ肩出しなのが趣味良いなあw
 あと、7話から9話にかけて、着衣でいろいろやってるわけだが、ページによってヘッドドレスを付けてたり、付けてなかったり、ニーソを履いてたり、履いてなかったり、ばらつきがあって校正がなってないなあという感じが。

歯医者

 本日は歯医者。8月に来てねと言われていたのだけれど、8月前半はコロナが流行っていたので避けて、その後中盤はお腹壊して寝込んでいて、回復した月末は台風に邪魔されて、最速がここだったという。
 まあ、特に歯槽膿漏なども悪化していなくて、歯石とって、1時間程度。


 しかし、今日は暑かった。2時半という一番暑い時間帯だったのもあるんだろうけど、風が吹いても熱風という。帰りは風が強くなって、帽子が飛ばされそうになるし。
 スーパー寄ったけど、買い物欲が出なくて、なにも買わずに出る。


 あとは、なんか1日、頭が重いというか、ぼうっとするというか。歯医者で頭を下にした椅子に座っていたら、ちょっと改善したから、貧血気味?

ショーソン『幼馴染みは闇堕ち聖女! 1』

 感想を書かずにずいぶん置いていたけど、2巻を読んだので、こちらも。
 とりあえず、エロい。


 冤罪をかけられて処刑された聖女が、1年後、魔王によって甦らされる。そして、魔女の国の王を任されていた。それから20年。処刑時に、助けようとして殺された男が、なぜかよみがえって、魔女国に入国を試みる。
 そして、他者の魔力回路への介入と、「主観時間加速術式」を武器に、魔女国を内側から切り崩し、元聖女にして魔女王アルマエイラを奪おうとする。具体的には催眠と淫紋で…


 行き当たりばったりに魔女国に潜入して、たまたま見つけた魔女に、一芝居打つ。媚薬作成の依頼と見せかけて、作った魔女に媚薬を盛って、淫紋をつけて支配下に。彼女の道案内で魔女王の下に向かうが、護衛のシャルロットとメイドのエアリィの攻撃を受けて、撤退。一方的に砲撃を受けて這々の体で逃げ出すが、実はこの時点で策はなっていた。
 索敵魔法でヨアルを観測してたエアリィの魔術に介入して、洗脳、自らヨアルのもとに来させることに。


 搦め手系ヒーローか。とりあえず、ニルンさんの堕ちっぷりが…
 あと、メインヒロインたるアルマさんの天然ぶりが…

肥後の里山ギャラリー「肥後銀行 お金と銀行資料展vol.3:新しいお札とお金の歴史―新千円札は北里柴三郎―」

 会期が14日までと、割と駆け込み気味に。メモをサボったら、忘れていることが。特に、近代の熊本市周辺の地図が興味深かったから、出所やタイトルをちゃんとメモっておけばよかった。


 新しい紙幣発行と、その図像に北里柴三郎が選ばれたこと、それに関連する展示。
 出口脇に新紙幣の工夫を紹介するパネルと映像(これは日銀や印刷局から)が展示。で、メインの展示室の大半が北里柴三郎関係。肥後医育ミュージアムから借用したパネルを中心に、北里柴三郎が名前を上げた破傷風菌の培養に使われた「嫌気性菌培養装置」のレプリカや最初に医学を学んだ熊本医学校関連史料、小国町の関係者に関する資料や小国銀行関連の資料など。
 つづいては、熊本に関連した紙幣に描かれた人ということで、渋沢栄一が熊本に来た時の講演のエピソードや称讃したという米券倉庫関係の資料。そして、今までの紙幣のモチーフだった夏目漱石の書簡や俳句など。


 そして、展示室の一辺をずらっと埋める江戸時代から近代にかけての貨幣に紙幣類。藩札から近代に入ってからの日本銀行券まで。藩札のコレクションが印象深い。全国、様々な藩が藩札を発行しているのね。熊本藩の「預」が印象深い。南関のそうめんを納入した時の支払いはこれで行われたのかとか、たくさん印鑑が押してあって、割と長く流通したのねとか。
 近代に入ってからは、初期の試行錯誤や戦時中のしょぼくなる貨幣、そして、今見るような貨幣にしても、紙幣にしても、割と最近なんだなあとか。
 そして、こういう展示を見ていると、この単なるなにやら描いた紙に、どうやって支払い能力とか「信用」とかが生まれるのだろうかと、ちょっと学術的な気分に。経済学に疎い人間にも読める貨幣論ってないのかな。


 時習館に入学しているけど、廃校になってしまったとか、古城医学所でマンスフェルトから習っているが、この頃から予防医学的な指向なのね。で、内務省衛生局に就職。そこから留学で細菌学の方面へ。公衆衛生方面のキャリアが印象深い。
 あとは、熊本医学校の同窓生つながりが、けっこう後々まで重要だったのか。


 で、ドイツ留学中に、嫌気性細菌を最初に培養に成功するという成果をあげて、一躍有名学者に。
 東京大学の学者から嫌われまくっているのが印象的だな。緒方正規の脚気の「病原菌」発見を否定したら、東大総長だの、森鴎外だのから「師弟の道を解さざる者」とか、「情を忘れしのみ」とか、まったく学問的ではない批判を浴びている。今でも、有力学者の説を、同じ学校の後進が否定できないみたいなことはあるみたいだけど、こんなことガチで言ったらさすがにアレ扱いだろう。

肥後の里山ギャラリーに出撃

 本日は、肥後の里山ギャラリーの「肥後銀行 お金と銀行資料展vol.3:新しいお札とお金の歴史―新千円札は北里柴三郎―」を見学にお出かけ。
 8月がお腹を壊して動けなかったので、9月までやっている企画展を次々撃破中。あとは、御船町恐竜博物館熊本市現代美術館だけになったけど、来週は天気悪いんだよなあ。


 肥後の里山ギャラリーで展示を見た後、サクラマチクマモトを一周して、カルディでいぶりがっこタルタルをゲット。あとは、クイニーアマンになるスプレッドとか。通常の行動範囲からは外れるけど、ここなら他のショッピングセンターよりは行きやすいかなあ。まあ、当面、パンに塗る素材は十分蓄積されているけど。
 その後は、下通に行って書店を回ったり、ドンキホーテに初めて入ったり。
 本当に書籍の輸送が滞っているだな。1日に刊行の書籍がまだ入荷されていない。通常、3日遅れだが、もう6日目。どこまで遅れるのだろう。10日ぐらいには解消するのかな。とりあえず、先月末に刊行された「恋する小惑星」の7巻を確保。
 あとは、なんとなく行動範囲から外れているドンキホーテにも入ってみる。通路が狭くてすごい圧迫感。あと、関心のある商品は特にないな。カップ麺を見ると、特に安いという感じもないし…


 あちこち回っているうちに、帰宅時間が2時台になって、暑さで死ぬる。
 朝方はともかくとして、昼は真夏の暑さに復帰。今日は、熊本市が全国で一番暑い36.2度で、その直撃をうけることに。まあ、自転車で走っているうちは、風を受けるからそれほど暑くないのだが、途中にある急坂で体力を食われるんだよな。いつもなら迂回路を通るのだが、今日は迂回すると買い物できなくなるので、仕方なく。


 昼食は久しぶりのミスド。くりドをゲットしたかったのだが、見当たらなくて、仕方なくいもドを購入。香ばしブリュレ、サクサク感がよろし。


 大甲橋から下流側を。ああいう、アーチ型の鉄製橋好き。



 草に埋もれかけの堤防上の道。まあ、最終的に行き止まりの道だしなあ…