今田隆文『フィリシエラと、わたしと、終わりゆく世界に1:ゆき、ふりつむ』富士見ファンタジア文庫 2004 ISBN:4829116153

今さら言ってもしかたない事のうえ、反応が遅いのですが、これが1巻で打ち切りなんてもったいない。
人格ゼロの状態で目覚めた人造人間、ヒヨリ。彼女が感情をひとつひとつ獲得していく様が丁寧に描写された佳作。人類が自滅した世界で彼女がどう成長し、なにを創り出していくのかに興味があったのですが。
また、ヒヨリが鳥の雛のようにフィリシエラについて歩く様が可愛らしかった。フィリシエラの反応に一喜一憂し、ぴったり引っ付いてるのがなんとも。
ラノベとしては地味で、確かに商業的に難しかろうとは思うものの、残念で仕方がない。

セパレイト・ブルー、氷和子ルート・クリア

つばめルートに比べると、主人公とヒロインの関係の描写が多くてよかった。どうもつばめルートはその辺があっさりしすぎ。微妙な関係が終わりのほうまで続くのでそれなりに緊張感が持続したのが良かったのか。
ゲームシステムのせいもあるのか、キャラなりストーリーなりにのめり込ませる魅力にいまいち欠ける。青春物という感じでそれなりにまとまっているが、売りの自転車競技の描写がおざなりなのも残念。