御影瑛路『僕らはどこにも開かない』読了

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)



冒頭に「魔法耐性」なんて言葉が出てきたので、思わず買ってしまった。最初の2-3ページの印象が結構よかったので、今月は電撃文庫を買わないつもりが、これだけ購入。独特の用語で意識しなかったが、これは普通の伝奇物になりそうな感じ。キャラクターの設定の割にサイコ分は無し。ここのところサイコ分は受けつけないので、よかった。イラストはあっても無くても、どっちでもいいという印象。
あとがきで、

この作品を書いたきっかけですが、自らに沸き起こった思春期のリアルな負の感情を描きたいだとか、無関心な現代社会の実情を醸し出したいとか、社会に対する反抗だとか、そういうのはあまりなかったと思います。僕は単に、この物語の主要キャラが書きたかったし、書けたらおもしろいと重い、キーボードをカタタンカタタンと叩き始めたよう記憶しています。

とあるように、一般的なキャラクター寄りのラノベという印象が強い。
香月美紀が人を操作することを「魔法」と称しているところが興味深く感じた。人間関係の維持に苦労している私には、集団を率いていくやら、まとめるということが魔法じみて見える。似たようなイメージを持つ人がいるのだな。