ルパート・バトラー『SS-WIKING:第5ss師団の歴史 1941-45』

SS-WIKING (リイド社 ウォーアーカイブス シリーズ)

SS-WIKING (リイド社 ウォーアーカイブス シリーズ)

題名の如く、第5のSS師団であるヴィーキングの編成から終戦までの歴史。それほど深く突っ込んで書いているわけではないが、このような本が翻訳されるのはすごい。
付図と年代の記述が曖昧なため、独ソ戦の知識が不十分な私には、ちょっと分かりにくかった。
あと、翻訳者は軍事・戦史に詳しくないためか、ちょっと首を傾げるような訳文がいくつかあった。


個人的に一番面白かったのは、付録の「武装SSの師団編成 1939-45」(p.188)のSS師団のリスト。師団名と編成年、獲得した騎士十字章の数が表となっている。これを見ると、60個前後を獲得した第1-3、5の各SS装甲師団が別格のエリート部隊。ついで、20個前後を獲得した、第4SS警察機甲擲弾兵師団、第8騎兵師団「フロリアン・ガイアー」、第11SS義勇機甲擲弾兵師団「ノルトラント」、第23SS義勇機甲擲弾兵師団「ネーダーラント」あたりが第2グループ、10個代が4師団。他はいわゆる「SS最貧師団」であるのが、よく分かる。
「SS最貧師団」については、「SS最貧師団列伝」連載INDEX泡沫戦史研究所内)を参照。