国立歴史民俗博物館編集・発行『海をわたった華花:ヒョウタンからアサガオまで』

日本列島に渡来し、また、日本列島から広がった植物についての展示会の図録。
古来、各種の有用植物が人間の移動に伴って移入され、風土と生活文化に合致したものが広まってきた。古い時代にはヒョウタンや野菜類などの有用植物、近世以降は菊やアサガオなどの花々が目立つ。
しかし、江戸時代に達成された園芸文化のレベルの高さ。変化朝顔なんて、あんたらどんだけ手間隙かけてんだというレベル。どうも、武士の教化というか、余った武士が悪い道に走らないために、幕府や藩主が手間のかかる園芸を推奨したというのが大きな要因のようだ。熊本でも、肥後六花をはじめとする独自の園芸文化が残っている。あまり詳しくは知らないが、やはり伝承者に郷士階層の末裔が目立つことを考えると、武士が園芸文化の担い手だったのだろう。


以下、関連情報メモ:
江戸の園芸大阪府中之島図書館)
浮世絵に見る江戸時代の園芸(千葉県立博物館)
アサガオホームページ
くらしの植物苑特別企画 「伝統の朝顔」国立歴史民俗博物館
Category:古典園芸植物Wikipedia
古典園芸植物の項目が充実している。