- 作者: 高野秀行,森清
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2011/06/25
- メディア: 単行本
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しかしまあ、こうして見ると、ムスリムもわりとカジュアルにお酒を飲んでいるんだな。アラビア半島のワッハーブ派みたいな狂信者はともかくとして。微妙な緩さは社会を営む上では重要だよな。公と私の使い分けみたいなのも。むしろ他文化との接触が多いはずのマレーシアで禁酒が徹底しているというのが興味深い。そういう場所では、むしろ、アイデンティティの強化にイスラムが使われ、戒律が厳しくなるのだろうか。ソマリランドやイエメンあたりのカートの話も興味深い。
以下、メモ:
「(二〇〇一年の)米軍侵攻から状況はどんどん悪化している」とこのホテル内に事務所を構える共同通信社の現地記者も語っていた。前政権のタリバンやアルカイダなどのイスラム過激派グループがそこかしこでテロを繰り広げており、「彼らは年々組織化され、強大になっている」とのことだった。p.56
2008年の時点での話。そもそも、中途半端にイラクで戦争を始めたりするから、こうなる。あと、こういうところで、売春宿を開く中国人や、それを爆破するタリバンたちもなんというか。
イスラムでは「鱗のない魚は食べてはいけない」とされている。ただあまりに一般庶民に人気なため、ホメイニ師が「ウズンブルンには尻尾の近くに少しだけ鱗がある」とファトワ(宗教的見解)を発令し、やっと公に食べることができるようになったという経緯もある(ホメイニ師は国際社会で思われているような狂信的な人物でなく、バランス感覚を備えた人だったというが、これもその証左だ)。p.133
へえ。