物草純平『ミス・ファーブルの蟲ノ荒園 2』

 発売当時に買っていたが、長らく手をつけていなかった本。
 導入の女子校での日常生活の部分で苦労したが、物語が動き出してからは、サクサクと終わりまで。導入が弱いのは、かなり大きな欠点のような。
 人を「裸蟲」に変貌させてしまう「魔本」。それを読んだ人物を殺して回る「死神」や十字教の特務部隊との争いに、デート中の慧太郎とクロエは巻き込まれる。そこから、三つ巴のすったもんだに巻き込まれることに。
 「救い」とはなにか。自分の正義とはなにかに迷う慧太郎。そして、「蟲」とはなにか。比較的最近現れた存在のはずなのに、なにやらずいぶん古い時代までさかのぼるような話が。このあたり、これから、どう展開していくのだろうか。楽しみ。
 しかし、慧太郎、アンリ、クロエ、マルティナと四人、交流が深まっていくけど、破滅の予感しかしないよなあ。マルティナは、「ブリュム・ド・シャルール」の関係者のようだし。どういう思惑で動いているのやら。