高橋慶史『ラスト・オブ・カンプフグルッペ 3』

ラスト・オブ・カンプフグルッペ〈3〉

ラスト・オブ・カンプフグルッペ〈3〉

 急に、戦記ものの本を読みたくなったので、再読。今回は、グーグルマップをちょこちょこと見ながら。
 エーゲ海チャンネル諸島など島嶼の戦いと孤立。東欧枢軸国の戦い。フランス艦隊の消滅。空軍地上師団、ワルシャワ蜂起、ハルツの最末期戦。装甲列車といったトピックが取り上げられる。
 ハンガリーの戦車、結構、かっこいいな。トルディにトゥラン、ズリーニィ。イタリアのセモベンテといい、突撃砲は良い。あと、トルディ、かっこよすぎ。
 装甲列車もいいなあ。あれだけいかついのに、装甲は30ミリなのか。側面を広くさらすことになるから、しかたないのかね。重量制限に悩まされる存在であることにはかわりないと。だんだんと火力が強化されていくから、ひとまとめのパッケージとして運用されれば、それなりの戦闘力があったんだろうけど。


 チャンネル諸島に関しては、グーグルマップの衛星画像を見ると、今でも、各砲台のコンクリート製砲座が見えるのが興味深い。ただの島に、どれだけの資材をつぎ込んだんだ。壮大な無駄遣いだなあ。
 壊すのも費用がかかるから、そのままにしているのだろう。


 ノルマンディーにおける第16空軍地上師団の戦い。火力も兵力も貧弱な空軍地上師団を捨て石に、グッドウッド作戦を阻止したお話。縦深防衛線のかなり後方に砲兵部隊を配置したのは、ドイツ軍なりの火力戦への対応なのかね。しかし、カーン近辺では、連合軍側は絨毯爆撃で援護しているが、恐ろしい火力だな。第16空軍地上師団の防衛線でも、突撃砲部隊が、ケチョンケチョンにされているし。
 集落単位の陣地構築だったようだけど、都市化が進んで、ずいぶん、建物が増えているようだ。


 ハルツ山地で、最末期の防衛戦を戦った第11軍の戦いも印象的。大きな地図で見ると、カッセルから、山二つ越えた先で、包囲されて降伏したと。ルール包囲陣で大穴が開いた西部戦線に、敗残兵と後方部隊から人間を集めてでっち上げた「軍」というのが、泣けるな。一個師団分の戦力あったのかね。重火器は全滅で、火力は見るべくもなし。
 結局、後方に配置されていた対空砲とカッセルで受け取った最後のケーニヒスティーガーが、砲兵隊の代わりと。ケーニヒスティーガーの防御力は流石だな。


 ワルシャワ蜂起の話は、無残としか。重自走砲カールとか、シュトゥルムティーガーとか、大量のロケット弾とか、やたらと重火力が投入されているけど、どう使われたのかね。ベルリン戦で、大型のロケット弾を直接建物に撃ち込んで、一気に陣地を破壊するというのが、ソ連軍によって行われたわけだが、同様のことが行われたのかね。そう考えると、ゴリアテとか、便利だったのかもな。