飲酒運転についてのメモ

福岡の事故以来、テレビメディアを中心に、なにかトチ狂ったような飲酒運転撲滅キャンペーンが鼻につくので、ちょっと調べてみた。
6時・7時代のニュースやクローズアップ現代の飲酒運転がらみの報道には辟易しているところ。
まあ、結論から言ってしまえば、むしろ飲酒運転が減っているので、現在の報道はおかしいということになる。
テレビメディアは目先の事件を騒ぎ立てるだけで、統計を読む能力もないのかね。終わっているな。
言うまでもないと思うが、私自身も飲酒運転は反対で、飲酒運転は厳罰で臨むべしなので。念のため。


飲酒運転について取り上げたネット上の記事はこんなところ(グーグル上位だけ…)。
飲酒運転死亡事故が増加の怪
飲酒運転事故は増えているのか
CODE的に飲酒運転問題を考えた
<公務員飲酒運転>死亡事故5年間で53件
飲酒運転クライシス - ひき逃げの増加/厳罰化のスパイラル


池田信夫 blogからリンクされている警察庁の交通事故統計(2005年)の36ページに飲酒運転による事故件数のデータがある。
これを見ると、飲酒者による事故は、ピークの2000年から半減している。
少なくとも、厳罰化によって、ここまで減少させる効果はあったことになる。ここに来て減少幅が縮小しているということは、別の手段による対策は必要になるだろう。


この統計は、他の部分も非常に面白い。
2ページに1946-2005年の交通事故件数・死者数・負傷者数などが一つの表にまとめられている。
これを見ると、事故件数は1975ー80年にかけていったん底を打ち、その後上昇。現在は倍増している。
一方、事故死者数は1975年以降減少し、97年に小ピークがきた後、急激に減少している。
また、負傷者数は増加。重傷者数は減少している。
警察は死者数の減少を宣伝に使っているが、道路が安全になったかというと、そうではないようだ。
法改正によるシートベルト着用・チャイルドシートの義務化、自動車会社による車内の安全対策などが作用して、ぶつかっても中の人間への損害が少なくなった。そういうことだろう。