藤原祐『アカイロ/ロマンス』2-3巻

 このシリーズ、主人公のキャラクターがウジウジしてない、「性悪メガネ」なんて呼ばれるののせいか、この作者の作品にしては雰囲気が明るい。死人続出なのには変わりないんだけど。p.29の「どうしよう。こいつの狼狽えぶりがとてつもなく面白い。もっとからかってやろう。」以下のシーンや、宝刀「つうれん」の変貌が笑える。
 物語としては、枯葉-吉乃-景介の死人をはさんだ三角関係が物語の推進力となっているように思う。あと、依紗子の壊れっぷりがすごい。


 7ヶ月で3冊ってえらいハイペースなんですけど… 2000年代に入ってから、シリーズの刊行速度は明らかに上がったな。90年代には、1-1年半に一冊が普通だったと思う。大概のシリーズは。最近は3ヶ月に一冊が普通。そりゃ、購入量を抑えても急激に溜まっていくよなあ。
 この巻は、前の巻までの流れをうけた話。キャラの顔見せ。とりあえず、「鈴鹿」の一族の謎がちょろちょろと出てきつつある。次の巻あたりから、「転」の段階に入っていくのだろうか。「繁栄派」の中心たる「神楽」はどんな存在なのかとか、「喪着絶ち」とか、何も知らないと言われ続けているあたり、主人公側にはない情報がいろいろありそう。枯葉、棗、檻江と深いところの情報が知らされていない立場のキャラばかりが集まっているし。あと、この話に大人が出てこないのはなぜかというのも気になるところ。
とりあえず、藤原作品とのシンクロがいいみたいなので、次は「レジンキャストミルク」を読むつもり。Flyable heartkonozama状態なので、それが来るまではラノベ主体か。しかし、20日発送で、到着予定が27日ってなんで?