「翠星のガルガンティア」第13話アニメ上映会:第13話「翠の星の伝説」

 チェインバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
 チェインバーってのは、レドの「親」の暗喩だったんだな。共に生きていく人々を見つけ、自立した時に、レドはチェインバーの中から排除される。決着寸前の「もう一度会いたかった、声を聞きたかった」から「生存せよ、探究せよ、その命に最大の成果を期待する」「くたばれブリキ野郎」の流れにはしびれた。ここにこそ、この作品のメッセージがあるのだな。
 SFとしては割とありきたりなところに着地した感がある。地球に人類銀河同盟のディストピアを再現しようとするストライカーを倒し、「自由」な新しい地球の可能性を守ったと。しかし、そこにいたる描写がそのありきたりさを上回ってあまりある。
 「思考と判断を放棄した存在は人類の定義を逸脱する」か。しかし現代社会に住む我々も、巨大なシステムに絡め取られているんだよな。この作品のような明示的な人工知能ではなくても、例えば金融市場ではコンピューターによる超高速取引システムが市場を主導して、それに社会全体が影響されるような状況にある訳で。「ビッグデータ」やさまざまな人間を対象にした工学の類を見てもな。実は「人類銀河同盟」を笑えないというか。
 途中の「どれほど虚しくて、空っぽのものを信じていたんだ。機械仕掛けのニセモノでもまるで見分けがつかなかった」ってレドの独白があるけど、それは現在の文明システムにも言えそうだな。『少年と巨人』でも、マザーコンピュータに操られているような描写があったけど。
 しかし、「人類支援啓蒙レギュレーションシステム」って、なんとも恐ろしいな。中身空っぽの人工知能が「神」を名乗るとは。しかし、クーゲル中佐は、新しい環境に適応できなかったのか。最初かかっこ良かっただけに残念だな。


 脇役もかっこ良かった。「決して膝を屈するわけにはいかん」のフランジさんとか、「天の梯子」ことマスドライバーの超長距離砲撃とか。ガルガンティアって最初はマスドライバーシステムの名前だったんだな。
 あと、ピニオンが目立っていたな。仲間を逃がして自爆とか狙っていたら、ラケージに一喝されて、塔から飛び降りとか。いや、その2.5枚目っぽさがすきだよ、ピニオン。ラケージの尻に敷かれまくりw エンディングでラケージとベローズに取り合いされているあたり、お前はエロゲの主人公かと。マイタさんも不満そうだし、なにそのハーレム。あと、構ってくれないからいたずらするって、ラケージさんかわいいな。
 ラストではレドが泳げるようになった。潜水用ユンボロでサルベージをやっているみたいだったな。エンディングで声が若干低くなっているのが、大人になった証なのかね。グレイスとクーゲル船団にいたモモンガが仲良くなっているのもおもしろかった。


 宇宙では人類銀河同盟とヒディアーズの不毛な対立構造が継続する一方で、地上ではもしかしたら、人類とクジライカがコミュニケーションをとって、共に生きる未来があり得るのかもなあ。