谷甲州『コロンビア・ゼロ:新・航空宇宙軍史』

 再読。
 なんか、ものすごくサイバーパンクな世界になっているな。以前の航空宇宙軍史は、なんかブラウン管モニターを見て、アナログ無線機で情報交換しているような雰囲気。一方で、こんどのは、ものすごく今風な感じ。仮想人格に死人の人格をコピーして、戦闘に投入する。バーチャルリアリティによる表示。データ・サルベージ。シミュレーションによる仮想生態系構築とそれを兵器に応用などなど。
 あと、ネット世論の影響力が前面に出てくるあたりが、今風だなあと。
 コロンビア・ゼロ基地が襲撃を受け、モスボール保管の記念艦とはいえ、四隻の戦闘艦が破壊。さらに、基地を無力化される。その際に、ネットで動画が拡散して、無責任なうわさが拡散。地球と航空宇宙軍の間に、隙が出てくる。ここらあたり、2チャンネルあたりの文章が頭に浮かぶな。

【悲報】航空宇宙軍壊滅のお知らせ

大惨事やないかwww

うはwwww航空宇宙軍オワタwwww

みたいなのが、頭に浮かぶ。


 タイタン軍の航空機パイロット、サラマンダーに乗船していた造船官、タナトス戦闘団の子孫、第一次外惑星動乱の関係者が、さりげなく出てくるのがいいな。しかし、40年というと、長いなあ。