「阿蘇神社展:刀剣の美」

 肥後の里山ギャラリーで開催中の、阿蘇社へ奉納された刀剣メインの展示会。9/22まで。
 個人的には、あまり刀剣の「美」というのがわからないんだよな。人が斬れれば、それでいいんじゃね的な。どうも、刃紋というのが、ピンと来ない。
 とはいえ、鎌倉時代から現代に至るまでのさまざまな刀が揃うと、いろいろとおもしろいな。鎌倉時代のものが、長くて、曲がりが強いのに比べると、近世以降の刀は太くてまっすぐな感じか。高力高長の巨大刀も、おもしろい。
 並んで展示されていた鎌倉時代の太刀、宗近と雲生が印象的だった。漆でコーティングされて、保存されていたものが、宗近のみ、近年、研がれていたり。脇差や短刀、小太刀がいいねえ。
 阿蘇谷の古墳から出土した、古墳時代の鉄刀や出土品が興味深い。「剣」じゃなくて、「刀」なんだな。


 阿蘇社に奉納されていた刀は、戦後、GHQに接収され、8割が行方不明になっているという。どういう経緯で、これらの刀が接収され、どこに保管され、散逸したのだろうか。つーか、今からでも、接収された刀剣類がどうなったか、アメリカに調査を要求するべきなんじゃなかろうか。
 阿蘇神社からは旧国宝が蛍丸長光、牡丹造腰刀と三点も失われているんだよな。