- 作者: 古橋秀之,伊藤義則
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 1997/06/01
- メディア: 文庫
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前作から、時代を遡ったお話。
心の底に「純粋な攻撃衝動」を秘めた、遺体処理業者ではたらく冴えない少年アーヴィーことアーヴィング・ナイトウォーカーが主人公。ケイオス・ヘキサに吸血鬼ロング・ファングが侵入し、吸血鬼禍が拡散。消滅したケイオス・トライから移住してきた吸血鬼の専門家ヘルシングとその娘、ミラ。さらには、「聖者」ハックルボーン神父や妖術技官ヴァージニア・フォーといった面々が殺しあうお話。
あるいは、アーヴィング・ナイトウォーカー少佐が、吸血鬼狩り部隊の指揮官になるまで。
遺体処理業者で働いていた、いかにも人畜無害そうな少年が、偶然、対吸血鬼用のEマグのリボルバーを手に入れる。そこから、母親の吸血鬼化とそれを殺してしまったきっかけ。最下層まで逃れ、ミラと出会い、強盗を繰り返しながら都市外脱出を目論むが、罠にかけられ、別れ別れに。結局、アーヴィーは、名前を譲って、名無しになって、都市外に流れていくわけか。
バンバン人を殺しまくっている時が、主観的には、もっとも安らぐ時というのが業が深いなあ。
ハックルボーン神父が強烈だな。元殺人鬼の聖者。救済と称して、人殺しまくりなのが。神の救済と死はたいして変わらないか。しまいにゃ、一度死んで復活してみたり。規格外すぎるインパクト。
そういえば、結局、人造の神の探求というのが、一貫した背景だなあ。人間がどんなに無理しても、全能の神は無理だと思うが。