ライトノベルの読書ノート1

12月以降に読んだライトノベルを古いほうから。

モノケロスの魔杖は穿つ (MF文庫J)

モノケロスの魔杖は穿つ (MF文庫J)

ギミックが面白い。とにかくこれに尽きる。
これからどうなるか楽しみな作品。

「廃貴族」なるキーワードが出てきて、結末への方向性出てきた。
あと、レイフォンのハーレムがどうなっていくかも興味津々。リーリンも、じきにツェルニにやって来るだろうし。個人的にはフェリを応援しているのだが。

こちらもいろいろと重要な設定が出てきて、これから佳境に入るのだろう。
これからどのような方向に行くか楽しみな作品。

ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))

ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))

これはライトノベルではないのだが、いっしょに。
内容はほぼ完全に忘れているが、昔読んだことがある話だな。
クトゥルフの呼び声」で、一度クトゥルフは復活しているわけだが、この時、もう一度眠りについた理由はなんなのだろうか。船をぶつけられたからなんてことはないだろうし。

こちらも、物語の方向性が定まった感がある。
奪われた神具を取り戻しに、「全知の書」が守られているというローラーティオーに赴くルビーウルフら。
思いっきり続く状態。

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

中世商業を題材とした物語。ファンタジーの世界でも、貨幣価値は安定していることが多く、中世の貨幣制度を利用した小説は珍しい。大学時代に中近世の商業史をかじったが、正直言って中世の貨幣制度は理解不能。カオス。読者をそのカオスに巻き込まず、そのエッセンスを使って物語を組み立てたのはうまい。
また、生活感の描写が丁寧なこと、駆引きを軸に展開される人間関係が物語全体に貫徹している目新しさも、好感が持てる。
しかし、そのようなものを超越して、ホロかわいいよホロ。


ファンタジーである以上、現実の歴史との違いが作品の評価を左右することはない。それを踏まえたうえで、中世ヨーロッパとの違いをメモ。
主人公ロレンスが「行商人」と表記されているが、歴史学的には「遍歴商人」と称される存在ではなかろうか。「行商人」は、特定の地域を巡回しながら小間物や食料品を小売する商人で、仲買人的な活動をするものではない。
また、中世後期以降になると、いろいろな商品を扱う商人は減って、特定の商品の仲買人に専業化していく傾向が強い。この作品は、中世後期あたりをイメージしているようだが、そうなると遍歴商人は特定の土地に定着する大商人か仲買人、専業の運送業者に特化し、ロレンスのようないろいろなものを広い地域で扱うような商人はほとんどいなくなっているのではないだろうか。
p.79ページ以下の、教会への宿泊シーンについて。広間で一般に人がいすを使わない描写は面白いと思った。ヨーロッパ中世では、こういう広間ではベンチの使用が一般的だったと思うが、この世界では地べたに座り込むのだな。あと、ジャガイモがヨーロッパに紹介されたのが16世紀、普及したのは18世紀。そもそもヨーロッパには根菜を食う習慣がなかったようだ。

円環少女 (2) 煉獄の虚神(上) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (2) 煉獄の虚神(上) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (4) よるべなき鉄槌 (角川スニーカー文庫)

円環少女 (4) よるべなき鉄槌 (角川スニーカー文庫)

文句なしに面白い。
グレン・アザレイかっこよすぎ。あと、綾名ネリンかわいそす。
これから、メイゼルがどんな生き方を選ぶのかな。

  • 仁木健『ADD:怒れる機械のプレリュード』

リンさっくり退場。最後はアイとリンが統合するのだろう。

収まるべきところに収まったというか、軟着陸に成功したというか。2巻のラストでは、どうなることかと思ったが。天音王子かっこよすぎ。
なんというか、古色蒼然とした雰囲気の作品。それほど広くは売れないだろうな。