「非実在青少年」について

 いろいろメモ。
 規制を容認する側について疑問を感じるのは、なんというか世界観の二分法なこと。例えば、「青少年」というカテゴリーでも、男性なら精通以前・以後・精神的肉体的成熟がある程度すすんだ段階(ハイティーン)、女性なら、初潮以前(概ね12歳以下)・ローティーン・ハイティーン程度には、大まかにカテゴライズできるし、その段階それぞれで扱いが変わってくるのではないか? 12歳以下レベルだと性の問題に慎重になる必要があるし、保護の対象になるだろう。逆に、ハイティーンレベルだと性的な自己決定権の問題が視野に入ってくるし、かなり広いレベルで性の対象になっている(性的搾取の対象にならないように気をくばる必要はある)。そのあたりのグラデーションを無視して、18歳以下をパターナリズム的な保護の対象として一括し、自己決定権も認めない姿勢は、善良な意図から発していても最終的な悪に転じかねないように思う。
 あと、現在生産されているフィクションを潰しても、過去の「文学作品」やら「現実」から、いくらでもやばい情報は取ってこれるから。フィクションの残虐さ、特に商業作品の残虐さなんぞは、ぬるま湯のようなもの。

世界中に存在する「あなた」たちへ - G.A.W.

全面的に賛成する。というか、醜いものを見せたくないと、そのようなものを見せなくなった若年層は明らかに品行方正になった。で、そうなると、今度は「今時の若い者はガッツがない」とか言われるようになる。身勝手なものだ。
性的情報については、先にきちんと情報を与えて、先にリテラシーを身につけさせるべきだ。つまりは性教育の推進。
ブコメ情報を取得するタイミングは大切に思う。初めて取得した情報が強姦だった場合、善悪の無い子供は実行してしまう危険性がある。最近の少年・少女漫画等では悲劇に飢えていて、強姦等の演出もあちこちで見るしね
そもそも、最初に摂取した情報がどこまでその人物の嗜好に影響するのだろうか。あやふやな印象論だろう。

日本のごく一部に存在する、「「あなた」の親」からの意見。

「見せたくないもの」を見せないのが本当に子供のためになるのか? レイプもののフィクションを見たら子供は実際にレイプするようになるのか。それで実際にレイプをやる子供は、それ以前の育て方に問題があるのではないだろうか。

親の怠慢と言われればそうかもしれないけど、他の危険物(食品や薬品や武器やなんか諸々)はしっかりと規制され隔離されて子供の手に入りにくいところに置いてあるのに、コンテンツに関してだけは子供が簡単に手に入るところに置いてあるわけで。


極端な話、コンビニにけん銃は置いてないけどエロ本は置いてあるし、毒薬は簡単には手に入らないけど同人ロリスカトロものはネットですぐに見つかる。

うーん、武器も毒物も世の中にあふれていると思うが? 流石に拳銃や日本刀は簡単に手に入らないけど刃物や鈍器の類は手に入れようと思えばいくらでも手に入る(包丁を全廃しますか?)。青酸カリは簡単には手に入らないけど、酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混ぜ合わせれば毒ガスが発生したりする。同様に、エロコンテンツにしても、エロいグラビアはコンビニで買えるけど、ガチなSMとか獣姦なんかのポルノにはそれなりの敷居が設けてある。世の中、危険物は普通にあふれている。何度も言うが、フィクションの人格的影響力というのは、限られているのではないか。偶然にあたったくらいでは、たいした影響力はないだろう。流石に特定ジャンルを浴びるように摂取すれば、影響はあるだろうが、逆にその場合、主体的にそのジャンルにコミットするというプロセスが必要になる。

表現が規制されるのはその表現がすでに暴力で脅威だからだYO!

  • 疑問 殺人を同情的に描いている2時間ドラマがテレビにあふれている現状をどう思います?殺人を扱ったドラマが氾濫している現在、殺人は増えていますか。
  • フィクションを見て嫌な気分になることと、実際にそれが行動に移りそうな場合は分けて考えるべきでは。建前が大事な場面と、「だけどそれでも」というものを意図的に同じ場面に配置するのはどうか。
  • ここでは男性から女性への性暴力しか視野に入っていないが、女性が男性同士の性愛・性交を主にしたフィクションを消費する文化が結構広がっている。基本的にこれはヘテロの男性にとっては結構不愉快なものなのだが。私自身もBLを読むのは無理。しかし、その文化自体は破壊されるべきではない。同様の次元のことだと思うが?
  • 文学作品にだって性交場面が入ったものはいくらでもあると思うが? それこそ石原の慎ちゃんの著作だってそう。ポルノ憎しで目が曇ってませんか。
  • 「お役所だってやりたくないと思うよ。漫画のチェックなんか。」個々の役人はともかくとして、団体としての役所はそうでもない。実際に今回の規制を推進してきた主体が役所なのを忘れるべきではない。


都議会なんて飾りですか?

今回の条例改正への流れの整理。審議期間は協議会で一年、議会で一月。いや、本当に日本の議会って飾りだよなあ。
協議会の議事録はちゃんと読もう。

『非実在青少年』規制問題
表現規制 現時点でポルノは十分に規制されていると思うが。少なくとも商業的に流通するものに関しては。ネットの状況は知らんが。
非実在青少年の雑感 基準が明確だったらここまで反対は広がらなかっただろうな。
「死んだエロ本だけが良いエロ本だ!!」 実際、これ文学なんかも相当網にかかりそうな規制。これが通ってしまった場合、これが指定されないのはおかしいという指摘で役所をパンクさせる戦術なんてできそうだな。で、これを指定していないのはおかしいと訴訟を起こしまくって、規制システムを飽和させると。
『女性向け創作活動をしている人の為の、非実在青少年規制対策まとめサイト』