青木幹治『さよなら、おっぱい』

さよなら、おっぱい (ホットミルクコミックス 302)

さよなら、おっぱい (ホットミルクコミックス 302)


 「Yes貧乳 Noロリータ」のキャッチフレーズに惹かれて。
 テンポのいいコメディに仕上がっていて、なかなか楽しい。ヒロインもヤンデレツンデレ素直クール、巨乳、先輩、ちびっ子姉キャラなど、バラエティ豊か。話の組み立ての巧みさとともに、印象的なコマや台詞もあって、素晴らしい。
2本目の「お姉ちゃんの手を取って」と節子さん4連作が好き。前者は、「グッバイ☆年上の余裕」など、モノローグに印象的なのが多い。キャラも、素晴らしい。後者は、節子さんのとびっぷりが魅力。素直クールな節子さんと主人公のずれたやり取りが面白い。なんで、バニー着て将来の話をしているのかとか。


「濃紺ブルマー節子さん」のこんなやり取りが楽しい。

ブルマーって元々はね
 19世紀にアメリカでブルーマーという人が女性解放のために広めたモノなのよ」
「当時は女性が活動的な衣服を着るというだけで進歩的だったのかしらね
 露出度も最初は全然高くなかった」
「日本では主に学校教育の場で使われていたけれど
 女生徒達から不評を買い90年代ハーフパンツに取って代わられた」
「全く大きな損失だったよな!
 ブルマーには夢と希望そして美と愛がつまっていたというのに!」
「きっと
 そういう男達の視線がブルマーを滅ぼしたのね…」
「女性解放という神聖な目的で生まれながら
 性的好奇心の的となり果て女達から拒まれた…
 ブルマーはどんな気持ちで消えていったのかしらね」

と長々と語ったあげく、次のページで

「神聖な物を穢すのって
 ちょっと快感だわ」

とくる。あげくに落ちがまたおもしろい。
そう言えば、私の母校の中学は、今はなんかダボダボのハーフパンツになっているみたいだな。中学生が体操服姿で平気で下校していたりする。それだけ、男性の視線をうけないということなのだろう。ブルマーの頃は、夏の体操服姿で下校は無理だっただろうし。その点では、変更は大成功だったのだろうな。