「東京の税収経済力以上:財務省試算地方法人2税が集中」『熊日新聞』07/10/23

 財務省は二十二日、東京都に経済力を上回る地方法人税収が集中しているとの試算をまとめ、財政制度等審議会に示した。東京は企業の本社が多く全国や海外にある子会社の利益が集まるなど、法人税収が増えやすい構造になっているためだ。同省は経済実体以上に都市と地方の税収格差が広がっているとみている。
 財政審の西室泰三会長は記者会見で「地方の税収をしっかり増やせるよう直す必要がある」と述べ、法人事業税など法人二税の税収を東京から地方に再配分する必要性をあらためて強調。
 宮城など五県の知事が「地方分権を妨げる毒まんじゅう」として配分見直しに反対する宣言を発表したが、西室会長は「地方交付税を堅持していくれという話で、前向きの進歩がない。論理的ではなく、財政審としてはくみしない」とはねつけた。
 財務省の試算は、二〇〇五年度の日本の国内総生産GDP)と、地方法人税収に占める各都道府県のシェアを算出し、両者の差を比較した。
 その結果、東京は税収25.8%に対しGDP17.6%で、その差は8.2ポイント。愛知は1.6ポイント、大阪は0.6ポイント、山梨、岡山も0.1ポイント税収がGDPを上回ったが、東京の突出ぶりが際立つ。
 静岡、京都など五府県はほぼGDPに見合う税収。熊本県は税収0.8%に対しGDP1.1%で、0.3ポイント税収がGDPを下回った。

 2007年と、少々旧聞に属する記事だが、メモ。海外から得た分も含めてだから、地方からの吸い上げとだけとは言い難いが、分配構造が歪なのは確か。生産設備なんかは大概地方なんだし。近代に入ってから、ずっと維持されてきた資源を東京に集中するシステムが、そのまま残っているわけで。これで、地方分権なんて言われてもな。