「熊本駅乗車30万人減:九州新幹線部分開業後 好調鹿児島と明暗」『熊日新聞』10/6/13

 2004年3月の九州新幹線鹿児島ルートの部分開業で、発着駅となった鹿児島中央駅鹿児島市)の09年度乗車人員が、開業前の03年度に比べ約100万人増えて年間約630万人になったのに対し、熊本駅熊本市)は約360万人と約30万人減少したことが12日分かった。他の主要駅でも鹿児島県側の健闘が目立ち、明暗が分かれている。
(中略)
 同社営業部は「鹿児島では観光やビジネスの需要増に加え、時間短縮効果と行政支援で通勤・通学定期券の利用が伸びた。半面、熊本ではマイカー利用が多い上、通学定期の落ち込みが続いたため」とみている。

 熊本駅って、熊本市の都市内交通体系の中で、機能していないんだよね。正直、新幹線ができてもどうしようもない感じが。熊本駅を何とかするのは絶望的だと思う。新幹線も西側を通さず、熊本市の東側を通せばよかったのに。あるいは、花園1丁目付近に、新熊本駅でも建設して、京町と熊本城の間の切りとおしを拡幅するとか。
 もともと、熊本駅が建設された時点では熊本市の中心は古町にあったから、熊本市街の外れといっても、現在思うほど孤立した状況ではなかったのだと思う。しかし、近代を通して、市街の中心が通町筋方面へ移動し、古町の地盤が沈下する。さらに、熊本市の人口の中心が東・北東に移る状況で、熊本駅の存在意義が低下していった。よく考えると、都市計画の大失敗だよな…
 現在でも熊本市の公共交通ネットワークの中で、JRの路線はあまり機能していない。最大の問題は、豊肥線熊本市街の南側を大きく迂回していること。そのため、新水前寺などで乗り換えないといけない。どうしても、通勤・通学などの普段使いでは不便。市電やバスを利用することになりがち。


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 確かに交通センターの方がよっぽど存在感がある。

はっきり言って、新幹線が熊本に来ることがわかってから、
いったい何をしていたのだろうと言いたい。

建設前は「九州新幹線を」って垂幕を鶴屋やらなんやらに吊るしまくっていたのに、新幹線を利用して何をするかって視点が全くなかったのが痛すぎる。ストロー現象で福岡に吸い取られる可能性は最初からわかっていただろうに。
 同じ思考形態が、州都とか政令指定都市にもある。それで何をするのかという視点が全く見えない。特に、九州の州都の選定について、熊本に州都を持ってくることでどういうプラスの価値があるのかというのが全く出てこない。これでは、他の土地の人間を説得するのは無理だろう。
 熊本人は共同行動が苦手で、内輪もめしがちだとは言え……