「二先生記念碑」

 とりあえず、判読の済んだ分から。カメラの解像度が上がって、写真に撮っておけば、あとで解析できるようになっただけ、ずいぶん楽になった。
 南千畑町の官庁の裏手にある石碑。秋山玉山没後150周年、高本紫溟没後100周年を記念して建てられたものらしい。両者とも江戸時代に熊本藩で指導的地位にあった儒者で、特に前者は藩校時習館の創設を建言している。
 碑文が漢文で書かれているので、正直サッパリわからん。最初の方で、二人を称えて、その没後150周年、100周年なので記念のイベントを開いたこと。祭祀やら、遺墨の展示やら、伝記の刊行をやったらしい。で、当時の県立図書館の傍らにこの石碑を建てたと。逆に言うと、ここには当時、図書館が立っていたということだな。その後、古城の方に移動して、現在位置と。
 近くには「熊本県立熊本工業高等学校発祥の地」碑もあるし、このあたりは文教地区的な性格があったのだろう。
 しかし、この碑文の書き下し文はないのだろうか。解説看板にも簡単なことしか書いていないし。つーか、上の石碑のタイトルも、篆刻の文字を使っていて、読み方が分からないんだよな…






二先生記念碑(?)


我東肥之州文教大振宿儒碩学○○○其人而士風醇樸義善文?可不知其所由哉蓋玉
山秋山先生関西儒林泰斗而夙○○感公寵任弼宝暦丕績?時習館勧学修礼崇化属賢紫
溟高本先生踵起識見高邁学該和漢蒙諦了公礼遇振学政興皇典作新後進自是藩学蓋熾
為藩政教化之源是其所以至今多徳行才能之士也是歳会丁玉山先生百五十年紫溟先生
百年之遠忌余輩相義欲追祭両先生慰其霊以表彰遺徳闔県官民翕然賛襄之○四月二十
一日設祠壇於熊本県会議場大行祭典聯掲両先生遺墨以供衆庶覧観遠近来賽群衆如
市又編纂両先生伝記以公于世之樹碑熊本図書館傍気其梗概以貽後毘後毘之士能紹両
先生遺忠以永不墜我肥之風則余輩追遠之意亦庶乎不荒矣
        篆額  秋山高本両先生追遠会長小笠原  宥
明治四十五年四月    秋山高本両先生追遠会副会長辛島 格撰