桐原いづみ『ひとひら 1-3』

ひとひら 1 (アクションコミックス)

ひとひら 1 (アクションコミックス)

ひとひら 2 (アクションコミックス)

ひとひら 2 (アクションコミックス)

ひとひら 3 (アクションコミックス)

ひとひら 3 (アクションコミックス)

 恥ずかしがりやで人前では緊張してしゃべれない、ネガティブ思考の主人公の麦ちゃんが、ひょんなことから演劇研究会に誘われて演劇に身を投じるという話。緊張すると声が出なくなるけど、声が魅力的というキャラクタ―の作りが非常におもしろい。しかし、「無理です」が口癖の主人公…
 3巻までで一年間。演劇部と演劇研究会の存続をかけた文化祭での対決、その実、演劇研究会の部長である一之瀬野乃の声帯の病気をめぐる、野乃と美麗の意見の行き違いを軸に展開する。成長と友情の物語で、実に青春だね。
 成長して変わっていくこと。それはまぶしいけど、実のところ人間あんまり変われないものなんだろうなと思う今日この頃。相当無理することだから。まあ、社会生活に支障がありそうな麦の場合は、ある程度変わる必要がありそうだが。あと、こういう細やかな感情を描いた作品は、最近読みにくい。こう、ゴロゴロと転げ回りたくなるような。