台風10号による岩手県岩泉町のグループホームの被害


 現地の写真を見ると、河川敷を再開発して、道の駅や球場、老人ホームを設置したようだな。周辺の集落の立地を見ると、山に張り付くように集落ができていて、定期的に水害に襲われていた状況がうかがわれるのだが、なぜ、危険そうなところに災害弱者が集中する施設を作ったのだろう。あと、リスクは分かっているのだから、早手回しに避難を行っておくべきだったと思うのだが。行政の情報に頼らずに。
 今回、一般の住宅も浸水しているところを見ると、普段よりも水害の規模が大きかったのは確かだろうけど。


 今回のような、水害危険地域に災害弱者が集中して、犠牲者が出た事例としては、2009年に起きた山口県防府市の事例や2010年の奄美大島の事例が想起されるな。同じような惨事が繰り返される状況は、問題なのではないだろうか。それなりの規模の施設を建設できるまとまった土地が、そういう危険な場所しか入手できないということなのだろうか。老人が河原に押し出される、周縁化というべき動向があるのだろうな。
2009年/山口県 防府市 豪雨災害 現地写真リポート 中国・北九州豪雨 土砂災害 特養老人ホーム ライフケア高砂被害等
2010年 奄美豪雨 災害 写真レポート 住用町  
土石流災害とその対策−防府・山口土石流災害の教訓−


 しかし、ちょっと都市部から離れると、ネット上の地図の情報のレベルが本当に劣化するな。地理院地図をみると、この地域の21世紀に入ってからの航空写真が、解像度の低いものしか存在しないという。全国、均一にデータを揃えられないのか。Yahoo地図は、こういう場所では、初っ端から役に立たない。グーグルマップも、衛星写真はともかくとして、地図の情報量が豊富とはいえない。使えなさすぎ。
 グーグルマップの衛星写真が、一番全国を均一に覆っている情報源なんじゃなかろうか。民間企業に負けているぞ、国土地理院
 あと、今回の台風10号の航空写真の類が、地理院地図で公開されるのが、少々遅いように感じるのだが。