読書ノートはやたらつけているけど、雑誌で膨らんでいて、読んだ「本」はかなり減る感じ。チェックしてみると、思った以上に少なかった。
熊本地震で被災したため、地震関係の本がかなりを占めるように。
環境とか、生物学で印象に残る本がいろいろあるけど、入れられず。『伊豆の長八』も入れたかったが…
- 10位 松山利夫・山本紀夫編『木の実の文化誌』
- 作者: 松山利夫,山本紀夫
- 出版社/メーカー: 朝日新聞
- 発売日: 1992/09
- メディア: 単行本
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人間が、身近な資源を、いかに深く利用してきたか。乾燥地域では、特に木の実の採集が、人間の生存に重要な役割を果たしてきたと。
- 9位 梅本弘『第二次大戦の隼のエース』
- 作者: 梅本弘
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 2010/07/14
- メディア: 単行本
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時代遅れになっても、格闘戦に強いという強みで生き延びた感が。
- 8位 丹野顯『「火附盗賊改」の正体:幕府と盗賊の三百年戦争』
- 作者: 丹野顯
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/09/16
- メディア: 新書
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江戸の治安を担った「火附盗賊改」を、江戸の始まりから最後まで通観する。最初は、近世の体制にはじかれた人々が群盗化。これを殲滅するべく、幕府軍の先鋒を務める先手頭が群盗と、文字通り戦争を遂行し、殲滅していた。その後、徐々に司法官僚化していく。松平定信時代から、軍事的能力と同時に裁判や行政の能力も要求されるようになっていく。鬼平は、その転換期の存在だったと。
- 7位 佐藤克文他『野生動物は何を見ているのか:バイオロギング奮闘記』
野生動物は何を見ているのか―バイオロギング奮闘記 (キヤノン財団ライブラリー)
- 作者: 佐藤克文,青木かがり,中村乙水,渡辺伸一
- 出版社/メーカー: 丸善プラネット
- 発売日: 2015/12/01
- メディア: 単行本
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動物に小型のセンサーをつけて、直接観測するバイオロギング研究の裏話を主体にした本。水中や空中、森林など、人間が直接観察しにくい場所に生息する生物の活動を観察するのに威力を発揮するバイオロギングだが、生き物にセンサーを取り付けて、それを回収するのが一苦労だと。特に、海だと、どこに行くか分からない。
YouTubeに動画がアップされていて、それを見ながら本を読めるのもおもしろい試み。直接観察の威力。
巨大地震はなぜ連鎖するのか 活断層と日本列島 (NHK出版新書)
- 作者: 佐藤比呂志
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2016/07/09
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プレート境界にひずみが溜まり、日本列島に強く圧縮力が働くようになると、それに刺激されて内陸活断層地震が活発化すると言う指摘が興味深い。こういう関連付けはあまり聞かないので印象に残った。
- 5位 『検証熊本大地震:なぜ倒壊したのか?プロの視点で被害を分析』
- 作者: 日経アーキテクチュア,日経ホームビルダー,日経コンストラクション
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2016/06/14
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阿蘇って、土砂災害がおきやすい土地柄だったのだなと、2012年の水害と今回の地震で思い知った。
- 4位 脇田晴子『中世京都と祇園祭:疫神と都市の生活』
- 作者: 脇田晴子
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2016/06/10
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中世の京都社会と疫神信仰がどのような関係を取り結んだか。祭礼を執行するための組織や、祭礼のためのリソースをどのように調達したかの仕組み。女性と都市社会。
疫病を鎮める祭礼が、都市社会の静謐を維持し、政治権力の正統性を示すために、重要な儀式であったこと。そのために、政権がテコ入れし続けた状況。
- 3位 田中広明『国司の館:古代の地方官人たち』
- 作者: 田中広明
- 出版社/メーカー: 学生社
- 発売日: 2006/09/01
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- 2位 倉地克直『江戸の災害史:徳川日本の経験に学ぶ』
- 作者: 倉地克直
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/05/18
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災害対策を鏡とした江戸社会論。
- 1位 釜井俊孝『埋もれた都の防災学:都市と地盤災害の2000年』
埋もれた都の防災学: 都市と地盤災害の2000年 (学術選書)
- 作者: 釜井俊孝
- 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
- 発売日: 2016/09/09
- メディア: 単行本
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京都盆地の都市化にともなって、中世に入ると、東山の植生に対する利用圧が高まる。結果、地すべりなどの地盤災害が頻発するようになる。関西地方の各地で、このように植生への圧力が高まった結果、はげ山化、土壌浸食が進む。それによって供給された土砂は、13世紀以降、河川を天井川化させる。
土石流災害がたいがいの場合、歴史時代に発生して忘れ去られている。ローマの地質構造と建造物の地震被害の関係。地すべりの発掘事例。比較的最近に掘り返され、埋められた、京都や大阪の窪地。トピックが非常におもしろい。
以下、次点:
伊豆の長八生誕200年祭実行委員会『伊豆の長八:幕末・明治の空前絶後の鏝絵師』asin:4582544541
内田良『柔道事故』asin:4309246230
川合康『源平合戦の虚像を剥ぐ:治承・寿永内乱史研究』asin:4062580721
久保健一郎『戦国大名の兵糧事情』asin:464205815X
仁木宏・山田邦和編著『歴史家の案内する京都』asin:4892597902
京都大学総合博物館編『日本の動物はいつどこからきたのか:動物地理学の挑戦』asin:4000074490
小林丈広他『京都の歴史を歩く』asin:4004315840
ポール・G・フォーコウスキー『微生物が地球をつくった:生命40億年の主人公』asin:4791768922
佐々木春隆『長沙作戦:緒戦の栄光に隠された敗北』asin:4769825447
田中史生『国際交易の古代列島』asin:404703567X
エドワード・シュトルジック『北極大異変』asin:4797673222
土屋健『ザ・パーフェクト:日本初の恐竜全身骨格発掘記:ハドロサウルス発見から進化の謎まで』asin:4416616368
帆足孝治他『残念な旅客機たち:古今東西、ダメ旅客機のオンパレード!』asin:4802202172
川上和人『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』asin:4774155659
森山高至『非常識な建築業界:「どや建築」という病』asin:4334039057