異世界食堂を最後まで読了。「小説家になろう」のフォーマットに徹底的に適応した作品だなと感じる。文庫一冊に20話程度の短編の集積。魔法の扉を通じて、洋食屋に異世界の人々が集まる。集まったそれぞれの客それぞれを描くことで、異世界の輪郭が見えてくる演出がおもしろい。
 リアルに考えると、異世界の食べ物をそう簡単に受け付けるか怪しいけど。熊田忠雄『拙者は食えん!:サムライ洋食事始』asin:4103057734で、幕末の武士たちが、バターと獣脂の匂いに閉口したように、異世界の香辛料や風味に反発を覚えそうだけど。そこは、小説だしな。