三雲岳斗『少女ノイズ』

少女ノイズ (光文社文庫)

少女ノイズ (光文社文庫)

 面白かった。三雲作品は、物語モードに脳をシンクロさせる必要がないので、手に取りやすい。解説にある「キャラクター小説として評してほしいので有川さんなんです」の通り、ミステリーとキャラクター小説の両立を狙ったように思える。
 キャラクターで見るなら、瞑は属性が豊富であるが、逆にキャラクター固有の論理に欠けるように思う。一人称の主人公から見ているから、という側面もあるのだろうけど。女ホームズと男ワトソン、ツンデレ美少女あたりの属性の部分が枠になっているように見えるが、例えば瞑の鬱屈が、両親をつなぐ最後の絆だから優等生を演じているというあたりは、いかにも弱いと思う。2話の116ページのやり取りを含め、場面単位で魅力的なシーンは多いし、後半はキャラが動いているように思うが。
 この作品の基になったのは、ビジュアルイメージなのだろう。最初に、セーラー服のヘッドフォン少女が、素足でスカーフを緩めて、死んだように横になっている。それが喚起するイメージのインパクト。そこから肉付けをしていったのだろうと思った。


 あと、ちょっと気になるのが、先行作品との舞台の共通性。彩吹市や音瀬市などの地名や、『I.d.』シリーズで半年前に焼け落ちたことになっている雙羽塾、『レベリオン』シリーズ、『I.d.』シリーズに共通して出てくる皆瀬梨夏。時間軸的には、『レベリオン』→『少女ノイズ』→『I.d.』だろうか。あるいは、後二者は、パラレルなのかも。瞑は『レベリオン』の登場人物の血縁に可能性もある。そのあたりを妄想するのも、楽しみの一つ。というか、これがきっかけで、『I.d.』『レベリオン』『コールド・ゲヘナ』と過去作品を片っ端から読み返した。とりあえず、『コールド・ゲヘナ』の先が読みたくなった。

エロゲ業界情報紙や市場分析レポートなどの資料について

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 エロゲ業界紙の話。
 国会図書館で検索をかけて見たけど、『PC NEWS』も『PC PRESS』も『デジクロニクル』も、入ってないみたい。過去の情報を入手するのは、なかなか難しそうだな。今後の情報に関しては、『PC PRESS』が現在も発行されているので、それを見るべきか。
 メディ倫ソフ倫のサイトを探せば、資料はあるみたい。右はコメ欄で紹介されているソフ倫の資料→http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen29/6-siryou4.pdf。「実写系のエロゲ」ってなんぞ?

エロゲの違法コピーにまつわる話関連メモ

togetter.com
 実際、検索かけてみただけで、相当カジュアルに割れが流通しているのは確かだと思う。ただ、ここであげられた数字の真偽は不明。少なくとも、金出して買っている人間と同じくらいはいそうな感じではあるが。特に正規ユーザー50万(コンシュマー含む)というのはどういう数え方なのだろう。ぶコメの指摘が興味深い。戦国ランスのパッチの話やWinnyのノード数など。
 しかし、年に10本ほど買っている私も、最初はコピーしたのを借りてやったんだよな。それを思い出すと一概に、コピー悪とも言いがたいところが。いきなり、知りもしないゲームに9000円出せと言うのも難しい。
 Fate/Stay Nightが累計で21万本、葉鍵あたりもその位だから、最大限見積もっても、エロゲ人口ってのは20万程度と考えられると思うが。コア層はもっと少ないだろうな。最初は「これはひどい」とか思っていたが、調べれば調べるほど、根拠が怪しくなってくるのな。


関連:
エロゲーのユーザー数って、いつのまにか倍増してた?
違法コピーが少しでも減ることを祈って、15個ほどアイデア置いていきますね 毒入り放流はありなんじゃないかね。
エロゲの違法コピー関連、続き


『エロゲの違法コピーにまつわる話』が若干眉唾な件
 P2Pからの話。Winnyあたりにそんなにユーザーがいないと言う話。検索かけると、BitTorrentあたりで至極カジュアルに動いているように見える。Googleでゲーム名+トレントで検索かけると情報を拡散させているサイトがたくさんあるし。ただ、実際にダウンロードしている人間はどのくらいいるのか分からない。世界全体なら、150万ほどいても不思議ではないが、そうなると大半は商売相手でなくなるな。


プロテクトについて
エロゲのネットアクティベーションを真剣に検討しよう。
【エロゲ】 アクティベーションとエロゲの供養
難しいな。いままでほとんど売ったことないけど、売却可能性があるか、ないかは結構大きいように思う。処分しにくい。あと、ロットアップしたゲームを入手しにくくなるのもネックか。あまりダウンロード販売は使いたくない。

コミケ会場では売り手と買い手は同じ「参加者」です←おかしい

http://digital-thread.com/archives/2618097.html あほすぎる。
 小部数の印刷物が高いのは当然のこと。学術書だって、社史や年鑑の類だって、目玉が飛び出るように高い。そう考えると、同人誌は安いほう。片手まで作っているものは、薄くて当然。

沖縄の「米軍等の事件・事故」は年間1000件の衝撃

blog.goo.ne.jp
基地のある生活
 軍事的必要性はともかくとして、迷惑施設であることにはかわりないだろう、米軍基地。
 統計的に云々と言う人も、じゃあ関東に米軍基地をと誰も言い出さないところに、本質が見えているよな。国士様方も自分は関係ないと思っているのだろう。東京/トーキョー的な人について思うことという記事を読んだことがあるが、ここでも同じ問題なのではないかな。自分たちの問題として引き受ける気がない。迷惑施設はどっか他所にできるだろうと思っている。そのあたりの無自覚な感覚が不愉快。
 確かに、軍事的には東シナ海が正面となり、沖縄・西日本の軍事的重要性は増すだろう。しかし、首都圏が引き受けられる施設はいくらでもあるだろう。それを抜きにして語っている人間を信用できない。最大受益者が、他人事のような態度なのは、どうなのか。
 まあ、そういう私が住んでいる熊本にも米軍基地はないし、来てほしくない。何年か前に、大矢野原の演習場に海兵隊が来たときは、熊本市中心部をやたらとごっちい外人が三々五々とうろついていて、異様な風景に唖然としたことがあるが。やっぱり、軍人の集団、しかもこちらからはコントロールしにくい外国軍が、多数駐屯すると言うのは、その土地の住民にとっては、脅威以外の何者でもない。それは、犯罪率の大小の問題ではない。そこのところを間違ってはいけないと思う。
 まあ、関東でも米軍の事故・事件は結構多数起きているのだよな。保坂氏の資料ではそれなりの件数があるわけで。

街ぐるみで自転車を共有、脱マイカーへ2都市が事業化

http://www.asahi.com/national/update/0507/TKY201005070265.html 拠点が市内に十分にあるのなら、こちらのほうが便利そうではある。特に自転車置き場に苦労しなくて済むのが大きい。
 ただ、運用は難しそうだよな。拠点間の台数のバランスとか。