中国の反日デモについて思ったことをつらつらと

今回のデモの件、中国側は、日本がここまで強硬な態度に出るとは予想していなかったんだろうなあ。
常任理事国入りを質にとって、歴史問題で圧力をかけて、なんらかの譲歩(EEZ問題やODA、兵器輸入など)を引き出そうという意識があったのではないだろうか。そのために規制をゆるめて、反日デモを誘発した。誰が仕掛けたにしろ、日本がここまで突っ張るとは思っていなかったようだ。日本のODA減少を批判=「一部先進国は努力不足」−中国、こんな報道を見ていると、そんな印象を覚える。
この日本側の態度の変化は90年代から徐々に始まっていたものであり、中国はその変化を全く捉えきれなかったのだろう。私自身、今回の謝罪要求には違和感を感じるし、教科書の訂正については要求に応じる必要はないと思っている。
そして、このような日本の世論の変化は、第2次世界大戦を経験した世代がいなくなっているということが、原因の一つにあるのではないだろうか。戦後60年を経て、当時現役であった人はどのくらい残っているのだろうか、
改めて戦争について語ることができる人はどのくらいいるのだろうか。私の祖父は92歳で、中国北部で従軍し、シベリア抑留を経験している。最近はめっきり衰えて、その当時の話しを聞きだせるような雰囲気ではとてもないくなってしまった。第2次世界大戦に参加した最年少の人でも、現在78歳。確実に戦争は遠くなっている。
先日、日本に誇りがなくなったなんて語っているお爺さんを見かけて、お年寄りによくいるよなあこんな人とおもいながら、忘れかけていた。しかし、そういうお年寄りでも上限は70代半ば。戦争は経験しても、「戦地」「戦場」は経験していない。そう思い当たった時はちょっとショックをうけた。
何か結論があるわけではないが、時代は確実に移り変わっていくのだなと少し感慨を覚えたので。