灰銀猫『王女殿下を優先する婚約者に愛想が尽きました:もう貴方に未練はありません!』

 まあ、タイトルそのままのスタートからいろいろ巻き込まれていくお話。
 王女の護衛となって以来、まったく連絡が取れず、誕生日パーティにも来ない婚約者と婚約を解消したら、隣国の第三王子エセルバートに求婚される。しかし、王族に嫁入りは恐れ多いと、遠慮しているうちに、国内の政治の乱れに巻き込まれて…
 グローリア王女とその近辺、エグいな。まともそうに見えて、短絡的な思考をする王女。そして、その王女を守ると称しつつ、敵国と内通したり、密輸した媚薬でやりたい放題する取り巻き連中。壊れ気味の王妃に、無駄に王女を甘やかす国王。エセルバードを狙うグローリアの悪意をうけるヴィオラ
 結果として、正式な婚約がのびのびになってしまう二人。
 最後は、公開の場でエセルバードに求婚して、大国の面子を潰して失脚してしまう王女。その状況で、更にやらかして罪人になったあげく、王妃にぶっ殺されるというのが。王妃は王妃で、異常に厳しい教育を行って娘の情緒を破壊、か。


 媚薬を盛られて既成事実を作られそうになっていたエセルバードを介抱して、たまたま持っていた解毒剤を与えて、惚れられたヴィオラ。で、求婚中は、ヴィオラを気遣ってセーブ気味だったのが、実際にラファティ国に移動したあとは、箍が外れたように。ラファティ王家の人間は愛が重い。で、その愛を貫くための片手間で国を繁栄させているというのがなんともw
 王族の配偶者の最大のストレスは、伴侶からの愛。他からは全て守られる。