ケイ『最終決戦前夜に人間の本質を知った勇者:それを皮切りに人間不信になった勇者はそこから反転攻勢。「許してくれ」と言ってももう遅い。お前ら人間の為に頑張る程、俺は甘くはない』

 パーティメンバーを寝取られたあげく、国王に故郷を滅ぼされた勇者は、魔王城に走り寝返る。そして、勇者の「加護」でもって、人間側を追い込んでいく。人間の側が外道で、滅ぼされていくお話はちょくちょくあるけど、本作は加護の効果がエグいな。勇者の加護を外されると、まともに服も着られない、知恵も無くなるって。人間の社会生活そのものが加護で成り立ってたのか。
 そして、人間戦力を叩き潰しながらも、意外と生き残りがいるけど、どうするつもりなんだろう。
 あとは、わざとゴツゴツした文章にしているんだろうけど、ちょっと読んでいて文法的に気になるところがちょくちょくと。


 パーティメンバーと国王の裏切りを知った勇者アレンは、出奔、単身魔王城に乗り込み、魔王に忠誠を誓う。勇者による加護を失った人間勢は弱体化し、逆にモンスターたちは一気に力を得て鎧袖一触。魔王軍は一気に進軍していく。
 他の加護をもつ人間、剣聖クリス、龍騎士ラグーン、賢者マーリン、盗賊長ギルダーク、湖騎士ランスロット、神弓士メリウスらと対峙、退けていく。うち、剣聖は見方になり、湖騎士は人間側からの攻撃で倒されるが、何らかの救命処置がモンスターたちによって行われる、と。で、他の救いようのない連中は消されていく。
 こういうタイプの作品の醍醐味は黒幕たる国王の末路だから、続きが気になるところ。