「日本の近代化周縁から考察:新著「ヤクザと日本」宮崎学さん」『熊日新聞』2008.3.16

 「日本の近代は終わった」と宮崎さんは考えている。どういうことだろうか。「近代化とは共同体を壊す過程。会社、労働組合、町内会、そして共同体の最小単位である家族も壊し、近代化は終了した」

まあ確かにそんな感じか。むしろ「近代」をおっぱじめたヨーロッパの方が共同体の類の温存に成功しているように見える件。

 では今後の展望はどこにあるのか。「近代は終わったのだから、中世に戻ろう。人間が互いに助け合う中世の方が住みやすいよ」と宮崎さんは新たな共同体の構築を志向する。

でも、無理なんじゃ。中世は自力救済の世界。今更再生は難しい。
どっちも乗り越える新たな原理が本当の「ポストモダン」だろう。