斎木伸生『フィンランド軍入門』

フィンランド軍入門 極北の戦場を制した叙事詩の勇者たち (ミリタリー選書 23)

フィンランド軍入門 極北の戦場を制した叙事詩の勇者たち (ミリタリー選書 23)

良く出来た解説書。歴史、装備、編成など目配り良く配列されている。
国際情勢も視野に入れて解説されているので、非常に分かりやすい。しかし、本当に薄氷の上を歩くような、そんな状態だったのだな。マンネルヘイムがディクタトール(独裁官)的な役回りをしなければ、共産化は免れなかっただろうな。あと、マンネルヘイムの見切りの良さがすごい。普通の人間なら、死んでいった部下のためにもとか言って、引き際を誤っただろう。冬戦争・継続戦争後のソ連の要求の厳しさを鑑みても、あそこでうけいれて戦争をやめるのはなかなか出来ない。