セシル・スコット・フォレスター『スペイン要塞を撃滅せよ:海の男/ホーンブロワー 2』

 ホーンブロワー2巻目。海尉として戦列艦に乗り組み、サント・ドミンゴの私掠船基地を撃滅に行く話。盟友となるブッシュの視点から語られる。序盤の艦長の猜疑心が肥大化し、狂気に落ち込んでいく状況。サマナ湾の基地を降伏に追い込む。帰還途中の捕虜の反乱。一転、フランスとの休戦が成立し、リストラされるホーンブロワーとブッシュ。ホーンブロワーはホイストで生計を立てるが、その中で海軍の幹部と知己になり、復帰のチャンスをつかむまで。
 比較的後に書かれた本書と、次の『砲艦ホットスパー』辺りが一番好きだな。最初に書かれたのよりキャラが固まっていて、安定感がある。
 あと、本書ではそれほど目立たないが、他の巻で見られるフォレスターのイギリス至上主義というか、他国人への蔑視は少々鼻に付くな。