山本弘/グループSNE『盗賊たちの狂詩曲:ソード・ワールドRPGリプレイ集1』

 この作品に出合ってなければ、そもそもRPGのリプレイを読むってこと自体をやらなかっただろうな。そのくらい印象深い作品。奥付を見ると、雑誌連載は四半世紀も前なのか… だいぶ、本自体がぼろぼろに。新ルール版が再刊されているから、そっちを買うか。
 のちに「スチャラカ冒険隊」と呼ばれるパーティが結成されて、いろいろと冒険をしていく。パーティの一人が盗賊ナイトウィンドとそっくりだったため媚薬の奪回を命じられる「盗賊たちの狂詩曲」やお忍びで出歩くリファールの王女さまが誘拐未遂に遭う「王の都の小夜曲」あたりが印象的なセッションかな。
 読み返すと戦闘がすごくぬるい感じだな。魔法使い連が攻撃魔法をほとんど使ってない感じだ。ケインはスネアばっかりだし、ケッチャは武器強化の魔法ばかりって感じが。まあ、低レベルだと直接攻撃系の呪文はあまり使えないか。この巻のラストの「王の都のセレナーデ」ではスリープクラウドが効果的だったけど。
 まあ、そのあたりの戦闘よりもパーティ内のやり取りが楽しいというのが、この作品の肝なんだろうけど。牧歌的な雰囲気がすごくいい感じ。スネアのケインとか、ザボとケッチャのカップルとか。