朝日新聞書評から

[本]書評:戦後日本公害史論 [著]宮本憲一 - 諸富徹(京都大学教授・経済学) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 メモ。そのうち読む。しかし、「政府」が隠蔽する側に回ったって、中国と変わらんな。それに対し、裁判と地方自治における政権交代を通じて対抗したと。そう考えると、三権分立の大切さを感じるな。

[本]書評:「サル化」する人間社会 [著]山極寿一 - 萱野稔人(津田塾大学教授・哲学) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 タイトルだけみると、最近よく見る若者攻撃系の本にみえるが、そうではなく、「家族」というモノの原型を類人猿社会に追った本らしい。

[本]書評:民族浄化のヨーロッパ史??憎しみの連鎖の20世紀 [著]ノーマン・M・ナイマーク - 保阪正康(ノンフィクション作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 この手の民族浄化を遡ると、ヴァンデの反乱に対する革命政府の対応とか、イングランドアイルランドへの扱いあたりまで行きそうな気が。フランス革命による「国民」概念の創出が淵源だしな。トルコ建国時の、アルメニア人虐殺や、ギリシャとトルコのキリスト教イスラム教徒の交換、第2次世界大戦と続くと。
 ヨーロッパの「国民国家」は周縁に虐殺の輪を広げていったと。

[本]書評:ヘイト・スピーチという危害 [著]ジェレミー・ウォルドロン - 杉田敦(政治学者・法政大学教授) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 「民主的社会の市民としての尊厳を奪う危害」ね。なるほどと思うと同時に、拡大解釈もできそうな。「ポルノグラフィーの氾濫(はんらん)する空間で女性が安心して暮らせない」ねえ…

[本]書評:人びとはなぜ満州へ渡ったのか―長野県の社会運動と移民 [著]小林信介 - 武田徹(評論家・恵泉女学園大教授) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 「貧しいから」ではなく、村落間の競争や教育を通じた動員が行われたと。交通の便がよくて、コミュニケーションが密なほど、送り出しの運動が過熱したというのが興味深い。

[本]メディアの展開―情報社会学からみた「近代」 加藤秀俊さん - 石田祐樹 - 著者に会いたい BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 メモ。確かに、江戸時代から現代まで、連続性強いよなあ。第2次世界大戦の10年が異常な時期だっただけで。

[本]書評:勝者なき戦争 世界戦争の二〇〇年 [著] イアン・J・ビッカートン - 島田雅彦(作家・法政大学教授) BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 万事塞翁が馬だよなあ。勝利が、次の戦争での敗北に引きずり込む。極力敵を少なくするは、要諦だよなあ。

[本]書評:世論調査とは何だろうか [著]岩本裕 - 柄谷行人(哲学者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 内閣支持率の調査によって政治的機能を持つようになった。また、質問の仕方によって、結果を誘導でき、世論調査=世論操作の側面があると。
 世論を無視するために、世論調査が使われているか。確かに。

[本]書評:暴力と適応の政治学 インドネシア民主化と地方政治の安定 [著]岡本正明 - 吉岡桂子(本社編集委員) BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 地方への分権化は、民主主義の基本的な要素と。まあ、今は酷くても、安定が続けば、それなりに改良されていく、かもしれないなあ。

[本]書評:不確かな正義―BC級戦犯裁判の軌跡 [著]戸谷由麻 - 保阪正康(ノンフィクション作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 なんで、捕虜に対する扱いが、ああだったか。形骸化した指揮関係と部下に責任を押し付けて保身を図る上官。つーか、海軍なんか、組織的に現地部隊に責任の押し付けを行なったわけだしな…

[本]書評:田園回帰1%戦略―地元に人と仕事を取り戻す [著]藤山浩 - 諸富徹(京都大学教授・経済学) BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 メモ。中山間地で三十代夫婦と赤ちゃんが増えているとか、イタリアの山村の小規模自治体の話とか。しかしまあ、イタリアの山地地域は、日本よりも早く「過疎化」を経験しているんじゃね…