田中芳樹『白い迷宮』

 『夏の魔術』シリーズの三冊目。地震で行方不明になっていたが、発見したのでさっそく読む。
 長野県の山中に再現された、スコットランドの城に招待された耕平たち。それは、魔術によって富と権勢を手に入れた、青雅流宗家の、さらに生きるための企みだった。
 突然、青雅流の次期宗家に指名される来夢。彼女をものにしようとする、宗家の孫たちとの争い。耕平と来夢は、中世の城の中をさまよい、過去に飛ばされたりする。
 ホラーとして考えると、二巻より、こっちの方が出来が良いかな。ラスボスの意図が読みにくい、最後まで出てこなくて、さらに主人公が負かすことができなかったというあたり。困惑の中、走り回るというのは、ホラーの基本だよな。