カミツキレイニー『かりゆしブルー・ブルー:空と神様の八月』

 好きラノの紹介で、ちょっと気になったので。
 神々が人の身近にいる島白結木島。そこでは、神と人間の縁を切ることで、両者間のトラブルを解決する「花人」と呼ばれる職能の人々がいる。恋愛の末に、狐神の呪いでいなりずししか食べられなくなった主人公は、解呪のために白結木島を訪れ、花人の後継者空と出会う。
 解呪を拒否されて、それでも解呪を行ってもらうべく、空たちの縁切りに同行。てんやわんやの騒ぎに巻き込まれながら、空たちと関係を深めていく。しかし、師匠のオバーの急死から、話は急速に動いて。
 天真爛漫な女の子と思いきや、二面性のある空さんが魅力的ですな。あと、主人公の恋愛への入れ込み方が危なすぎるというか、怖すぎるというか。春波が、怪しげな祠で願い事をした時点で、霊障が発生していたわけか。
 最後の縁を切られ、呪いの元となった恋愛をすっぱり忘れてしまった主人公の変わりっぷりとすっきりとした寂しさ。そこから、付いてきちゃった片耳豚と即座に白結木島へ向かおうとする主人公の落ちが良い。