荻原規子『RDG4 レッドデータガール:世界遺産の少女』

 

 夏休みが明けて、二学期。学園祭の準備が本格化。泉水子たちも、生徒会で準備に関わって、忙しい日々をすごすことに。学園祭のテーマは、地元ということで、豊臣秀吉の関東征服、北条氏の滅亡時に起こった、八王子城の戦いがテーマに。
 ついでに、高柳一条を中心とする陰陽師一派の準備も着々と進む。なにやら、学園に結界をしいて、化学部で気球を上げる。
 決戦たる学園祭に向けて、緊張は高まっていく。


 一方で、泉水子姫神の関係も明らかに。二回、1000年をやり直すと、そりゃ、記憶が混濁するわな。未来の泉水子姫神かもしれない、と。
 和服の着付け講座で、モデルになって、髪を解いた泉水子。そのときは、姫神の憑依がなかったのに、深行と二人になったところで降臨。他の人間から隠すために、八王子城までデート。
 それにやきもちを焼く泉水子がかわいい。なんとなく、距離は縮んでいるな。
 八王子城での、姫神の右手は「下々に与えるための手」、左手は「天から受け取るための手」ってのは、深行と泉水子の関係を規定する選択肢だったということなのかな。左手を取った深行は、対等なパートナーになった。これが逆だと、下僕ってことなのかな。