サハラ砂漠 塩の道をゆく <ヴィジュアル版> (集英社新書)
- 作者: 片平孝
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/05/17
- メディア: 新書
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現在、マリ北部は、IS系テロ組織だの、トゥアレグ系武装組織だのが横行して、とても外国人が近づける状況にないが、2003年ごろは奇跡的に治安が良かったと。一時期は、トンブクトゥも、テロリストに支配されて、古文書なんかが危うい状況にあったというしなあ。そういう、一時的な状況の報告としても、意義がありそう。
後半の疲弊ぶりが、この往復行の過酷さを物語る。水は途中の井戸で補給した分だけ。タウデニの井戸は、かなり濃い塩水だが、それを飲まなければならない。さらに、帰りは120キロの岩塩の板を運ばなければならないので、ラクダの疲弊も大きい。それだけの、苦痛をしのぶだけの、収益が、輸送だけで存在するってことか。
タウデニの岩塩鉱山では、濃い塩水しか飲料水がないとのことだが、熱源と水はあるのだから、道具を工夫すれば、蒸留ができるんじゃなかろうか。冷やすのが難しいのは確かだけど。
あと、ラクダが、あまり飼いならされた生き物じゃないのだなという印象も。なかなか、扱いにくそうだ。