瀬尾つかさ『高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない』

 世界最先端の魔法学園の女子寮が、1000年の過去に飛ばされてしまう。その時代は、「魔族」と「人族」の大戦の時代。戦場近くに出現してしまったため、偵察に来た魔族の軍と不幸な行き違いから戦闘に。後に平和の礎を築いた人物、バーゼス・ログ・ラースを、殺害してしまう。歴史改変の懸念。さらに、怪しい動きをする一団。混乱しつつ、生き延び、元の時代に戻ろうと試みる。
 主人公のエルドは、たまたま、妹の看病にやってきていて、タイムスリップに巻き込まれる。「唯一の男手」かつ戦闘経験者として、帰還を模索する生徒たちの中核として活動することになる。


 何が起こったかは、カラー口絵に任せて、いきなり混乱状態からというホットスタート。確かに、スタートダッシュという点では、有効な手かな。混乱しつつ、生き延びようと懸命になるというのは、それだけで十分物語になるし。その上で、いろいろと今後のネタも仕込んである。
 現代の技術をファンタジー世界に持ち込んだらという良くある内政チート系の話を、ファンタジーと魔法文明にひねった切り口もなかなか。燃料が必要な現代文明より、時間的余裕は大きい感じだな。それでも、供給されるエネルギーには限りがあって、タイムリミットは半年と。
 さらには、邪神の復活だのなんだの。
 全体的には、辻褄が合ってしまいそうな雰囲気だけど。


 ただ、やはりキャラクターの造型なんかは、ここしばらくの瀬尾作品のパターン内だなと。スピード感は『横浜ダンジョン』3巻や『双剣使いの封呪結界』2巻を思わせるが。鈍感シスコン主人公は、「墜ちた竜の帝国」を思い起こさせるような。あと、伝統の腹黒キャラ、城塞都市ダンダールのお姫様スピカさんがどう活躍するか、楽しみ。

石塚千尋『ふらいんぐうぃっち 4』

 結局、アニメにつられて、全部買ってしまった。新米魔女のゆるゆる青森生活も、4巻目。
 とりあえず、浜辺兎のハマベーさんが、目立ちまくり。夜砂浜で遊んでる魔女を叱ったり、千夏ちゃんと勝負したり。楽しそう。
 他は、担当の魔女に報告に行ったり、ローブを自作したり、リンゴの花の摘花をやったり。調理実習、全くの初心者に、ハンバーグは敷居が高いと思うんだ。ハンバーグって、焼き加減が難しい。あと、指クッキー。

『まんがタイムきららMAX』2016/7号

 今回は速攻で読了。


荒井チェリー「いちごの入ったソーダ水」
 ここしばらく、すっかり風紀委員長が主人公になっているな。
 ルナに渡したカーディガンが毛玉取りで破られたため、物量作戦に出た風紀委員長。10着渡されたルナは、周囲に配ってしまう。
 ルナとお揃いカーデの子が増えて、悔しがる風紀委員長がかわいい。そして、こひめに浄化される。


原悠衣きんいろモザイク
 ひさかたぶりの教室。とりあえず、マジカルアヤヤーに笑った。「世界線」て。
 綾は、素直じゃないのがかわいいんだよな。で、気持ちはきっちりバレバレなのが。


はんざわかおりこみっくがーるず
 連載が決まって、喜んだ小夢は、甘いものを食べ過ぎて、太ってしまう。ダイエットしようとすったもんだ。
 お風呂できゃっきゃうふふとか、筋肉がつかない翼さんとか。


晴瀬ひろき魔法少女のカレイなる余生」
 寮のお風呂が壊れて、ななほしのお屋敷にもらい湯。
 しかし、他所でも好き勝手に振舞う退役組。ストレスマッハのしじまちゃんは、ワインのにおいに酔って、魔力を暴走させる。潜在能力すごいのか。
 しかし、「心は汚れてしまっていても…せめて体くらいは綺麗でいてください」がきっついなw


Koi「ご注文はうさぎですか?
 チマメ隊のイメチェン話。
 それぞれ、年長組と絡んでいるのがおもしろい。メグは千夜・シャロ、マヤはリゼと、チノはココアと。マヤはストレート、メグはヘアアクセ、チノは前髪カットか。


有馬「はんどすたんど!」
 ななみといちごのじゃれあい。お茶飲んで、取っ組み合いしただけの日常。これはこれでかわいらしい。キャラ同士の掛け合いのテンポが好きだわ。
 いちごとひなたは、茶道部だったのか。


氷坂透「裏庭には…!」
 あやめちゃん先輩のお披露目。


君と子音「廃校ドールズ」
 なにやら、急速に話が進んでいる。何が起きるんだ。

ドウモウ『いいなりアクメ』

いいなりアクメ (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)

いいなりアクメ (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)

 快楽に弱い女性と、クズい男たちが、すったもんだする話。嫌がっていても、火がつくと弱いと。けっこう、破滅的な話もあるな。
 雑誌で割りといい印象だったので買ってみたのだが、単行本で読むと、どうもごちゃごちゃ感が。B5からA5に縮小されて、紙面の密度が上がってしまったのだろうか。
 個人的には、最初の三編が好きかな。ドM女王様とか、就職で別れた元カノとよりを戻す話は、雑誌で既読。冒頭の「拘束バスツアー」が、個人的に好み。しかし、バスの中で最後までヤッてしまうのは、周りに迷惑だろうw

三巷文『こんなこと』

 こちらも、紙面の密度が高すぎて、買ってから放置していた本。今度は読めたな。
 「ベッドヤクザ!! 床弁慶!!」のセリフで、ネットでも話題になっていた本。男女のやり取りやシチュエーションが、印象的な作品。ラブコメから、サイコっぽいのまで、いろいろ。男性の弱さが、正面に出ている話が多いかな。
 個人的には、10話目の「ふたりの部屋」、15話の「スペアキー」が好き。図書館の蔵書整理で仲良くなった男女。ジャンパースカートでみつあみの女の子が、実はエッチに興味津々だったという前者。後者の、実は性格と人相が悪いのを、隠して高校デビューした男とそれを包み込むような小柄な無口少女の母性。
 「ふたりの部屋」から。無理やりスキャンしたけど、このコマが、なんか印象的でね。この、あっけらかんとした明るさが、良いなあ。

災害関係記事メモ

[本][災害]阪神・淡路と東北の「災後」 土方正志さんが選ぶ本 - 土方正志 - ニュースの本棚 BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

 メモ。
 岡田広行『被災弱者』(岩波新書・864円)、今野晴貴編著『断絶の都市センダイ ブラック国家・日本の縮図』(朝日新聞出版・1620円)も、あとでチェック。

[災害]下田市の津波対策の防波堤建設計画について - ネットの海の渚にて

 いや、これ無理じゃね。
 大規模被害が出るような津波が来たら、こんな薄い防潮堤は、倒されるのが関の山だと思うが。それに、川を通じて進入してくる津波には、どの程度の対応ができるのだろう。
 観光地の価値のなかには、景観も確実に含まれるんだから、もう少し考えてのいいのではなかろうか。
 そもそも、この記事は防潮堤推進っぽい雰囲気だけど、問題になっている防潮堤は、肝心の下田市中心市街は含まれていないっぽいのだが。記事も分かりにくいし、静岡県の政策も何考えてるのか理解しがたいな。中心市街地は、湾口防波堤なり、水門あたりの建設が急務だと思うけど。
 弓ヶ浜海水浴場は、避難しにくそうな地形だな…

[災害]「関東・東北豪雨のその後」忘れ去られた被災地、茨城県常総市を訪ねてみた(吉川彰浩) - 個人 - Yahoo!ニュース

 災害による損失を、回復できてない経営体が多数あると。
 二重ローンの問題、断熱材にしみこんだ水が抜けず、後から被害を広げる。新素材も良し悪しと。
 地域の祭りにしても、お神輿や山車が水没して、カビが生えている状態か。このあたり、応急対策の専門家の助言があるとよかったのかもな。

[災害]「茨城県常総市大水害」被害実態に見合わぬ制度 社会課題と言える大規模水害に対する生活再建の在り方(吉川彰浩) - 個人 - Yahoo!ニュース

 母屋の修理にもかなり金がかかる。それに、家財、自動車、農業機械、商売道具などの損失も重なる。被害額は1000万円を超えることも。それを再入手する元手がないと。
 一方で、公的支援は、被害に見合っていない。
 このあたりの、住宅再建の問題に関しては、阪神大震災あたりから、積み残しのままだよなあ。農業にしろ、各種自営業にしろ、動産が高価になっているか。

[災害]「1ヵ月後の巨大噴火を予知」そのとき、原発をどうするか核燃料棒の取り出しは、とても間に合わない  賢者の知恵 現代ビジネス [講談社]

 まあ、破局噴火以外で、直接影響を受けることはないだろうけど、最初から考慮しないはないよなあ。実際、「想定外」で、放射性物質を外に出している以上、リスクと正面と向き合うべきだろう。
 破局噴火を考慮すると、九州と北海道には原発を作れないような気がする。
 破局噴火の前兆をキャッチできるほど、火山の理解は進んでいない。で、キャッチできても、燃料棒を移送するのは難しい。作業中に火砕流に飲まれる危険はあるし、そもそも、発電所で作業できる環境を維持できるかどうかも怪しい。格納容器ごと移動できる設計にするのほうが、まだ現実的だわな。

[災害]農業用貯水池が引き起こす「内陸津波」の恐怖 災害・事件・裁判 東洋経済オンライン 経済ニュースの新基準

 日本でも、地震に伴う大規模崩落は良くある話ではあるな。溜池決壊は、東日本大震災のが記憶に新しい。中国のは、完全に人災だけど。
 で、農業用の溜池は、耐震性強化などの対策がおろそかにされていると。最近は、溜池近くに新興住宅地なんて事例も増えているから、実際注意すべき問題だよなあ。農繁期直前に、香川県の直下で地震とかあったら、どのくらいの被害になるのだろうか。
 つーか、西日本に多いから、危機感が薄いって、もう領域国家としての感覚が死んでるな。

「8割水没した街」の再生が注目を浴びるワケ | 震災と復興 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 40年投資されていない地区ってのも、すごいな…
 「リフレッシュ」という、様々な経済的・社会的サービスを束ねる活動の紹介。
 あと、ニューオーリンズは、なんだかんだ言って都市であるというのは大きいと思う。130万都市というのは、なかなかでかい都市だと思うが。

[災害]#平成島原大変 - Togetterまとめ

 捜索に入った自衛隊が、火砕流に追われて逃げ出す場面もあったのか。装甲車でも、どこまで効果があったのかね。普通の車両よりはましだろうけど。追っかけられるほうは、生きた心地しなかっただろうな。
 送電線の維持とか、交通路の維持とか。
 『平成島原大変』に、『火焔の山に挑む―雲仙普賢岳自衛隊』に。

[災害]富士山の火山防災で考慮すべき課題 - Togetterまとめ

 どこから噴火するか分からないというのは、怖いなあ。
 登山者に危険を周知する体制がまったく存在しない問題。火山ガスの危険性など。
 富士山で一番怖いのは、山体崩壊だよなあ。富士山の高くて、秀麗な姿は、「まだ崩れていない」からなんだから。千葉達朗『活火山活断層 赤色立体地図でみる日本の凸凹』をみると、あちこちに巨大な山体崩壊の痕跡があるし。

[災害]浅間山が崩壊すると群馬県は壊滅する。 - Togetterまとめ

 対策3じゃね。運よく前兆がつかめれば、急いで避難できる体制を整えつつ。つーか、成層火山、怖す。
 さらに、利根川の川床が上昇して、東京も水害で壊滅しそう。

[災害]トンネル内で火災が起きた場合は普通の火災の逃げ方とは違う方法を取る必要がある - Togetterまとめ

 トンネル火災のときは、スプリンクラーで煙が押し下げられるので、普通に立って、歩いて、できるだけトンネルから脱出するのが大事と。