今週の週刊エコノミストから(『週刊エコノミスト』2007/5/1・8合併号)

  • 「2007年の経営者:森稔:森ビル社長:都市間競争で東京が負けるのではと心配しています」

森ビルの社長への巻頭インタビュー。、なんというか発展途上国か大陸の国にふさわしい開発思想だなと思う。歴史的に形作られてきた町並み・土地の痕跡を削り取り、消し去ってしまう暴力性に無自覚なのがなじめない。納得できない。誰も住んでいない土地に作り上げるならともかく。使い道がなくて放置されている既存の埋立地に作るならまだしも(新しく埋め立てるのには反対)。
あと、鮮度が切れた後、社会情勢が変わって使いにくくなったときに、維持コストがかかりすぎるのではないか。

私たちは六本木ヒルズなどを開発することで、これからの都市再開発にひとつの回答を示したと自負しています。私たちのところには世界各国から、六本木ヒルズのようなものをつくってほしいという申し出が数多く来ています。日本ではどうか。海外の動きとは逆で、高層建築はあまりはやらないというのが主流です。

具体的にどこからやねん…
高層建築は人間的ではないとおもっているけどね。



  • 「米兵のイラク駐留期間延長の惨状」

アメリカ軍はかなり追い詰められている状況のようだ。社会的亀裂の修復も含めて、今後10年、20年は本格的外征は不可能になるかもしれないな。
訓練期間の短縮が新兵の戦闘技術の低下をもたらし、その結果死傷者が増大していること。装備の消耗によって、第82空挺師団(記事中では空挺団と表記)の即応能力維持も難しくなっている。親や高校の教員がイラクの現状を見て、軍への入隊に慎重になっていること(新規兵員の確保の困難)。これらの状況が指摘されている。記者の軍事知識・政治的立場などのバイアスを考慮する必要があるが、かなり苦しい状況にあるのは確かだろう。
興味深いのが、「イラクでの勝利」を信じる兵士が、83%から50%に下落したと言う指摘。まだ割と高いといった印象もあるし、半分がこの調子では相当士気が低下しているなとも解釈できるし、どう考えるか迷うところ。

パウエル前国務長官は最近、「陸軍はすでに破綻している」とのべた(以下略)

カリフォルニア大サンフランシスコ校などの研究によるとイラクアフガニスタンから2001年9月〜05年9月に帰還した米兵約10万人のうち、約2万5000人が精神的障害を有すると診断され、うち約1万3000人が心的外傷後ストレス(PTSD)だった。

おおよそ4分の1が精神障害を抱え込んでいるそうな。かなりの高率。
そう言えば、第二次大戦後の日本軍の復員兵の精神障害は問題にならなかったようだが、実際のところどうだったのだろう。そうとう数が精神的ダメージを引きずっていたと思うのだが。