モリナガ・ヨウ著、溝渕利明監修『モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた！』

モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた！

　『モデルグラフィックス』誌でよく見るイラストレーターが、土木工事の現場を見学紹介した本。「土木のことを何も知らない人を現場に連れて行って記事を作ろう」というのがコンセプトだったようだ。最初の方の記事は、正直、勘所が見えていない感じで、おもしろくないなという感じだったが、あとになるにつれて現場の見方が身についてきたのか、おもしろくなってきた。橋にトンネル、道路工事、高速道路の高架やジャンクション、LNGのタンク、埋め立てなど土木工事の現場、そしてセメントや鉄筋、コンクリート製品の工場など資材の工場などが取り上げられている。都市部での工事の気の使い方が興味深い。
　あと、島根原発の三号機の建設場面を取り上げていて、ずいぶん礼賛しているが、福島原発の事故をうけてどういう意見になるのだろうか。確かに原子炉の中核部は守られたが、システムが機能不全になれば原子炉建屋をいくら頑丈に作っても吹っ飛ぶというのが明らかになったわけだしな。