土橋真二郎『アトリウムの恋人 2』

 「東京スフィア」の再生計画を盛り上げるため、一般人も参加したイベントゲーム「タクティクス東京」に参加した主人公たち、「3S」サークルの面々。しかし、参加したはいいものの、ゲームのヘックス移動からいつまでも出られなくなって… といった感じの話。楽しく読めるシリーズだと思う。
 集団戦での心理描写とか、混戦の中での混乱状況なんかの描き方はなかなかいいと思った。あと、ラストの陣形図が、現実とバーチャルの境目がぼやけている状況をあらわしているようで、なかなか良い。
 この手の、バーチャルリアリティを取り入れたゲームをテーマにしたラノベとしては、高畑京一郎の『クリス・クロス:混沌の魔王』が印象に残っている。
クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))

クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))