『Febri vol.17』

 今回は『翠星のガルガンティア』特集。監督や設定担当へのインタビュー。ヒディアーズの側には、人間的な意識はなくなっているのか。増殖することが目的の超生物って、戦うのがきつい相手だな。第7話のクジライカの大集団は、レドとは関係がなく、蜂の分蜂と同じような行動だとか、意図的に厳しすぎない環境に設定しているとか。
 以下、メモ:

村田 レドは無色透明というか、人類銀河同盟の思想を純粋に信じ込んでいて、人類のために戦うことを当然と考えています。それは利他欲求ともちょっと違っていて、自分の中から自発的に発生したものではない。外から与えられた使命なんです。そんなレドが、いろいろな欲求の渦巻く地球という場所にぽんと放り込まれたとき、どうなるのか。p.11

 欲求の組み合わせとして「利己欲求」「利他欲求」「利知欲求」の三つの組み合わせとか、レドの位置とか。こう解説されると、演出意図がわかりやすいな。

――ヒディアーズは人間の意識は捨ててしまったのでしょうか。
村田 それは、謎に包まれていることにしてあるんです。個人的な見解としては、彼らの人間的な部分は封印されていると思っています。戦いながら宇宙で生存するために必要なものだけが表に出ていて、人間として本来持っていた意識や感情といった部分は、その下に覆い隠されている。今は必要ないものなんです。逆に考えるなら、それが必要とされる状態になれば戻ってくるのかもしれない、と思っています。p.15

小倉 繁殖することが幸せ、みたいな感じで増えていったんですね。村田監督は、もしこの宇宙編をなにかしらの形で続けるなら、ヒディアーズの進化的限界というのが出てくる可能性があると言っていました。大元になった人間の遺伝情報しか持っていないので、多様性に限界がある。これ以上の進化をどうするかっていう段階になったときに、人間を捕まえようとするんじゃないか。そのとき、人類銀河同盟はヒディアーズと共存できるのか……といった話になるのかもしれませんね。p.24

 ヒディアーズの話。人間としての意識は捨てているのか。あと、既に実験とかやってるんじゃないのか。クーゲル中佐とか。まだ見ていないけど。
 イボルバーの構成員は比較的少なそうだし、遺伝基盤は少なそうだよなあ。人間の遺伝子を確保しようとするというのはあり得そうな展開だな。

――地球に残っていた人間たちは?
村田 コンチネンタルユニオンの活動に積極的に参加していた人たちは、宇宙船で地球から脱出しました。イボルバーも、宇宙適応能力を獲得したものは地球から旅立っています。しかし、広い世界にはどちらにも属さない人々が大量にいたはずなんです。その人たちは地球から脱出することができず、地球に取り残されてしまった、寒冷化した地球上では、多くが死滅してしまったと思いますが、特殊な恵まれた環境にいたひとたちはなんとか生き残ることができた。そういう人たちの中に、地球を寒冷化からよみがえられることに成功した人がいたんですね。今のところ、そういう手段で地球を温暖化させることができたのかは秘密ですけど(笑)。
――人為的なアクションの結果、水の惑星になったと?
村田 そうです。予想外の効果で、暖かくなりすぎてしまったんですね。p.15

 このあたりの温暖化の手法も伏線なんだろうな。