山本弘『ゴーストハンター:ラプラスの魔:新装版』

 地震前に読み終わっていたのだが、続刊が行方不明になっていたので、今まで放置していたもの。やっと、全巻見つけて、読了したので、感想を。ずいぶん、お久しぶりの再読。
 しかし、解説で、「新しい作品」が登場すると書いてあったわりに、結局、次の『パラケルススの魔剣』しか出ていないのは、大人の事情ってやつなのかね。


 全体の構成は、なんというか、リプレイのキャンペーンのような感じ。最初にプレイヤーの顔合わせ、続いて、二度目、三度目のセッションというように話は進んでいく。
 マサチューセッツニューカムにある、ウェザートップ邸。「魔術師」の館であると住民に忌避される、その家で、子供の惨殺事件が発生。事件にひかれて、女性記者、私立探偵、神秘学研究家、本物と偽物の霊能力者、発明家といった面々が集結。館の地下にある魔方陣から、もうひとつの「世界」、ラプラスが400年にわたってヨーロッパを支配する世界へと導かれる。
 一度は、脱出に成功した面々だが、ラプラスの報復、ハスターを呼び出し、すべてを無に帰そう、そしてこちらの世界も一緒に破壊しようという企みの前に、もう一度、ラプラスの世界に赴くことになる。
 あちこちに、クトゥルー神話のネタが散りばめられているのも、おもしろいな。


つーか、「完全版」なんか出てるのか。