敷設艦 工作艦 給油艦 病院船―表舞台には登場しない秘めたる艦船 (光人社NF文庫)
- 作者: 大内建二
- 出版社/メーカー: 潮書房光人社
- 発売日: 2016/03/01
- メディア: 文庫
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敷設艦が、結局、大スペースと高速を生かして、高速輸送艦として重宝されるのは、どこの国でもかわらないな。イギリスのアブディール級敷設巡洋艦なんか、そういう任務中に沈んでいる艦が多い。あるいは、敷設艦から鞍替えされた、アメリカのキャッツキル級車両揚陸艦とか。沖島とか、津軽あたりになると、立派な「敷設巡洋艦」扱いされそうだけど。日本海軍の機雷戦が、機雷堰による防勢作戦に終始したこと。日本近海への敷設には、正規の敷設艦ではなく、民間船を改装した特設敷設艦が当てられたこと。アメリカ軍のソナーによって、そのような防潜網や機雷は避けられてしまったことなど。
工作艦に関しては、明石がトラック島に陣取り、特設工作艦がラバウルに配置されて、応急処置から本格的修理の役割分担が構築されていた話。明石の工廠一つ分ってのは、すごいなあ。
機動部隊の遠距離行動を支えた艦隊随伴型の給油艦は、民間会社に助成して建造させた優秀油槽船を徴用してまかなった話。20ノット近く出せる大型油槽船を21隻か。海軍が自前で企画建造した給油艦はほとんどなかったと。しかし、一方でインドネシアから本国への油槽船が足りなかったのだからアレだな。見合い解体した老朽タンカーも、渤海湾かなんかでモスボール保管して置けばよかったんじゃなかろうか。
最後は、病院船。なんだかんだ言って、病院船の生存率は高いな。撃沈された船とか、攻撃を受けた船はいるようだけど。あとは、オプテンノール号の件とか、橘丸の拿捕事件とかの話。