- 作者: 平坂寛
- 出版社/メーカー: 地人書館
- 発売日: 2015/11/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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美味しい系は、ホラアナゴ、アカマンボウ、オキナワオオタチあたり。ホラアナゴは、普通にアナゴの代用品、オキナワオオタチは脂があまり乗っていないタチウオといった感じらしい。ホラアナゴ類は、外見からは区別がつきにくい複数の種類が混在してて、DNAを解析しないと分からないのだとか。あと、外見が怖い。
アカマンボウは数十キロ級の大きな魚。それを丸ごと買って、解体した体験記。主要部位の肉は白身で、胸鰭の下の肉がマグロのような赤身。胸鰭をつかって泳ぐ魚と言うことなのかな。普通に、いろいろと便利に食べられそうな魚だが。
ここらあたりは、回遊力の高い、それなりに資源量がありそうな魚種だな。
条件付としては、ヘラツノザメ、バラムツとアブラソコムツ、ソデイカあたり。
ヘラツノザメは、サメ一般の習いとして、早く処理しないとアンモニア臭がひどくなる。それでも、フライにすれば食べられる。しかし、東京湾で釣れるってのが、すごいな。ただ、この手の深海サメって、成長が遅いから、レジャーの釣りでも漁獲圧が高まると、あっという間に数が減りそうな。
バラムツとアブラソコムツは、脂が乗って美味しいけど、その脂が消化不能なのでたくさん食べると、下してひどいことになるという。著者も、たんまり食って、ひどいことになっている。個人的には、あんまり油っぽい魚は好きじゃないが…
ソデイカは、シーフードミックスなど加工品の材料として、一般に漁獲されている。やたらとでかいイカ。イカリングやゲソ天など、ギャグみたいなスケール感。ただし、大味らしい。
美味しくない系は、サケガシラとミズウオ。どちらも、身が水っぽいという。サケガシラは、一夜干しのあとは食べられたというから、ミズウオを干せば良かったのではなかろうか。この種の魚は、動かず、獲物が近寄ってくるのを待つタイプなんだろうなあ。だから、筋肉がほとんど発達していない。結果、波に流されて、打ち上げられたりする、と。こういうの、内臓を抜いて、丸干ししたら、どうなるのだろうか。
浮き袋で浮力調整を行うのが難しくなる深海では、体に油を溜め込んで浮力調整するタイプの魚と水分を多くして浮力調整を行うタイプがいるのだな。それで、油ギトギト系やら水っぽい魚が出てくると。
意外と、深海魚狙いの釣り船があったり、ミズウオは三保の松原で冬の夜に拾えるとか、身近なんだな。熊本県だと、有明海の入り口あたりは、それなりに深そうだけど…