片瀬茶柴『虚構推理 13』

虚構推理(13) (講談社コミックス月刊マガジン)

虚構推理(13) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者:片瀬 茶柴
  • 発売日: 2020/08/17
  • メディア: コミック

 最新刊。「雪女のジレンマ」編と短編一つ、あと、六花さんと琴子が組んで事件に挑むお話の1話目が収録。


 前半は、雪女編の種明かしモード。嫌疑をかけられた室井と雪女は、出張ってきた琴子のもとに赴く。そこで、琴子は、室井を追い詰める。そこで、雪女が、それこそ神ともあがめる琴子に決死ではむかい、その真情を室井に悟らせる。それこそが、まず、人間とアヤカシの関係を取り結ぶ琴子のお仕事。
 その後は、真犯人の種明かし。警察は、犯人にしては無防備すぎる室井を見て、とりあえず、疑いの優先順位を下げていた。そして、室井にアリバイがないことを知るのは、元部下の飯塚のみ。消去法で真犯人は絞り込まれる。
 しかし、室井の女難ぶりも、すごいなあ。女がらみで友人に殺されそうになる。雪女に救われ、好かれる。雪女の面影から妻を苦しめ、殺されかける。さらに、ヤンデレ元部下に殺人の罪をなすりつけられそうになる。下手すると、雪女の機嫌を損ねて、氷漬けの可能性もあるのか。
 ヤンデレ部下は、室井を追い込んで、自分に依存させる作戦ねえ。


 とりあえず、雪女ちゃん、かわいい。純粋なだけに、裏切られたときの怒りも強いと。





 続いての短編は、妖怪よりも、人間のほうが恐ろしいという話。
 怪異現象が起る邸の整理のバイトを受けた九郎。つつがなく作業を終えたのは、怪異たちが自分を怖れるからではないかと思っていたけど、真相は…
 幽霊たちが様子を見に行って、なにもないから真相解明の依頼が来るってw


 最後は、琴子と六花が組んで事件に関わった思い出話。鋼人七瀬の数ヶ月前のこと。
 わざわざ殺人で殺した死体を別の場所に運んでメッタ刺しにする男とそれを目撃しながらなにも言わずに逃げた男。それを目撃したスネコスリたちは、なにが行われていたのかを教えてくれと説明を求めてきて。
 真相解明のために、目撃者を詰めに、経営するラーメン屋で激辛ラーメンを制覇する。人間がまず食べられない辛さのラーメンを出して、悶絶するのを楽しむって、悪趣味だなあ。六花さん、5杯制覇で、店側は50万円の支出か。ラーメン屋は薄利多売だそうだから、これだけで潰れそうだなあ。