- 作者:片瀬 茶柴
- 発売日: 2019/10/17
- メディア: コミック
最終的に、剛一氏が、自らがなぜ六花や琴子を信用したかいぶかしく思わせるほどに。
そして、人間が多く絡む案件でも、一切情を気にせず、秩序のために真実を明らかにする琴子の苛烈さを、九郎に見せる。それが、九郎の決断に、どのように影響を与えていくのか。
あらかじめ、事件の真相、娘が加害者で、剛一が取引した狐はアリバイを作るために本人の声で誤導する叫び声を出したを把握していて、顔色一つ変えず、破局へ誘導していく琴子さん、怖いですねえ。
最初は、談合で済ませようとしていた相続者、剛一の息子、孫、娘婿は、琴子の追い込みで、グループの破局と自身の将来のために母親の殺害を計画していたことを明かす。剛一が、計画を知っていたのではないかと疑って、様子をうかがい合う。
そこから、「成功体験」というキーワードで誘導された孫娘、莉音が、剛一の誘導による自殺なのではないかと仮説を立て、それを課題の答えとして剛一の前に行く。
そして、その剛一も居る場で、真相を暴露し、剛一の思いも寄らなかった真実、さらに娘の殺人の罪を暴く。
まさに、人外の力で利益を受けたが、その後にしっぺ返しがくる説話的な展開だな。琴子は、その中で、異界側にほとんど入り込んでしまっている。
とりあえず、長男の孫娘、莉音さんが、凜々しくていいですね。
番外編は二つに分裂した九郎。片方は、コンロの火を止めたか気になって出現してしまった生き霊。二人の九郎を、「物理」で合体させる腕力ぶりがw