渡瀬草一郎『妖姫ノ夜:月下ニ契リテ幽界ヲ駆ケル』

 なんか、作者は続刊を諦めてないような話が出ているが…


 関東大震災直後の横浜で、とある商人の家に居候しつつ将来を模索することになった少年。しかし、そこは異界に繋がり、主は人間世界のものを商う店の主だった。そこで主人公雪緒は、蛇の妖の姫君と出会うことになる。


 近代化で意義を失った忍びの里の麒麟児、雪緒の大活躍がすごいなあ。足切り遊郭のアヤカシたちをちぎっては投げちぎっては投げ。殺し合いならともかく、追っかけっこなら負けないというのがすごい。
 つーか、絶対、アヤカシの血を引いてるだろ、彼。


 中盤以降のドタバタ感は楽しい。逃げ回る雪緒に、雪緒を奪還すべく足切り遊郭に乗り込んでくる宵姫とその一行。ドタバタのうちに、身代わりを置いて遊郭にしけ込んでいた十六夜の存在がバレてしまって。
 まだ片鱗しか見せてないが、ヤンデレヒロインですなあ。今後、どういう風に暴れるか。今回は機嫌を損ねると祟り神になるから、フィノさんより凶悪かなw
 幼なじみがいないけど、続きがあるなら里から追っかけて来るとか。いや、メインヒロインが強すぎて相手にならなさそうだけど…