優木凜々『どうも、前世で殺戮の魔道具を作っていた子爵令嬢です。 2』

 2巻構成の後半。解決編。
 面倒を避けるために隣国に逃亡したクロエは、名前をココと変え、サイファの町で薬屋として潜伏生活を満喫していた。しかし、結局、目立たずにいることができず、なんでも毒物を解析できると一部で有名になっていたり。こっそり改良型の魔道具を冒険者ギルドに送り込んでみたり。「あんたは目立たないようにしようという気概が足りない!」と怒られる始末。


 一方、ブライト王国の王宮では、井戸の水になにかが混入されているという違和感を感じた王弟が、毒物分析で名高い薬師の噂を聞きつけて、クロエの友人オスカーを使者として送り込んでくる。オスカーにお世話されまくるクロエ。そんなこんなで、だんだんと距離が縮まる二人。
 とりあえず、なにか魔力を乱す物質が混入されていることを突き止め、オスカーがサイファを離れた後、黒ずくめの男達に襲撃されるクロエ。戻ってきたオスカーに助けられて、密かにブライト王国に舞い戻るクロエ。


 ソリティド公爵家に、遠縁の少年としてかくまわれるクロエ。その偽装のまま王宮に潜入し、何が混入されているかを調べる。そこで、クロエは前世の罪と向き合うことに。オスカーに全てを打ち明け、協力を求めることになる。
 ライリューゲ男爵こと、クロエに殺戮の魔道具を作らせていたリエルガ帝室の末裔が、隠してあったクロエ制作の魔道具を持ち出し、王国中枢部を洗脳、支配しようとしていた。そして、クロエを夜会に招き寄せ、死刑判決をだし、死んだことにして魔道具を開発させようとしていた。それを読んで、対抗したクロエたちは、陰謀を阻止することに成功する。
 残された魔道具をこっそりと始末し、サイファの町で契約期間、薬屋を務めたクロエ=ココは、迎えに来たオスカーと最後の町巡りをして。


 サクサクと読めて、楽しいお話だった。